第22話彼は熱血野郎の相手をする
俺はパチリと目を覚ました。
「ふぅ。よく寝た」
俺は人よりもあらゆる力の回復速度が速い。
それは血液の半分が、ブリザードワンプスのものであるからであろう。
「さてと、あいつに礼を言いに行くか」
あいつとは“豪炎神龍バーニングホット”という聖騎士龍である。
時計を見ると、クラディアの騒動から5時間が経過していた。
(もう、そんなに時間が経ったのか?)
俺は体を伸ばす。
「さてと、行くか」
俺はそう言いながらドアに手をかけた。
すると、ドアが凄い勢いでひらき、俺の体が後ろに引かれたような感覚に襲われる。
「え?」
どうやら、俺はドアに突き飛ばされたようだ。
「先生!大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないよ!ノックぐらいしろ!」
俺は腰を思い切りぶつけた。
「すみませんでした!」
この熱血な小女は1年8組8席テイン・フラミディア。
スキルは『ヒート』……体のあらゆる部分から発火するという微妙なスキルの持ち主だ。
「ありがとうな。バーニングホットを連れてきてくれて」
俺は痛い腰をグッと起こしてテインの頭を撫でる。
「ちょいと、ネックレスを返してくれ」
「はい」
俺はテインからネックレスを受け取ってそれをつける。
(すまなかった。本当に助かった。ありがとう)
俺はバーニングホットに感謝の言葉を伝える。
(なーに、気にするな。俺様は、聖騎士龍の中で5本の指に数えられる実力者!バーニングホットだからな!ダハハハ)
こいつはいい奴なのだ。この自信がどこから湧いてきているのかはわからないが、とてもいい奴だ。
俺はテインにネックレスを返す。
「もういいんですか?」
「あぁ。あいつの相手はしんどいんだ。」
俺は机の上に置いてあったお茶を飲み干す。
「にっが!なんだよこれ!」
俺はあまりの苦さに驚愕してしまった。
(はぁ。こんなのばっかだな)
俺は窓の方を見る。
ギラギラと最後の足掻きをしている夕日は俺にこんな事を思わせてくれた。
(綺麗な夕日だな)
俺は布団を畳んで保健室を後にした。
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