第19話彼は凍った少女を眠りから覚ますⅠ

(グランツは後、20分しかないと言っていたが、ここから氷魔術室まで歩いては3分ほどかかる!)


俺はそう思いながら廊下を走る。


(間に合ってくれ!)


俺は1分で氷魔術室に到着した。


「クラディア!」


俺はそう叫びながら部屋に入る。


「なっ!なんだこれ!」


クラディアは凍っていた。

氷の結晶の中に彼女はいたのだ。


(これは、スキルの反動というレベルじゃないぞ)


俺はすぐにワンプスのネックレスを見つけてつける。


(なんで見ていなかった!)


俺は怒鳴りながらクラディアの状態を確認する。


(いや、見ていたさ!それに『冷気吸収ブリザードドレイン』で応急処置はした!というか、今もしているさ!)


(だけども、こいつは凍ったままだ!)


(おそらくだが、こいつの魔力量は異常だ!俺様の2倍。いや、3倍以上は確実にある!)


(何?聖騎士龍の3倍以上だと?)


(あぁ、もし“奴ら”に知られたりすれば…)


(あいつらの話をするな!)


(しかし!)


俺は彼女にある火炎魔法を使った。


『生命ノ灯火フェニキアル


『フェニキアル』……人の心臓部分に発動させる回復魔法。


俺は彼女にこの魔術を発動させた。


「頼む!起きてくれ!」


俺はそう願うことしかできなかった。


(あいつがいれば)


俺は周囲を見渡す。


「せんせー!クラディアちゃんは大丈夫なの?」


サラが走って来た。


「ちょうどいいところに!テインをここに呼んできてくれ!」


「え?」


「早く!あいつの力が必要になる!」


サラはうんと頷いてテインを呼びに行った。


俺はいつにも増して焦っているのだろう…。

当たり前だ。生徒が死にかけているのだから…。


俺は彼女に向き合ってさらなる応急処置を施すことにした。


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