第16話彼は生徒と龍のマンツーマン指導を横目で見るⅣ
その後メクリヤの一方的な攻撃が20分も続いた。
「はぁ、はぁ。ありえない!」
メクリヤの攻撃が俺とセイズのもとに届くことはなかった。
「盾では攻撃できないことが分かったか?」
俺は余裕な表情でメクリヤに質問する。
「嘘だ!俺が磨き上げた攻撃術の全てが、防がれた?」
「磨き上げたか」
かつての俺を見ているようだった。
アイツがまだ、生きていた頃の俺を見ているようだ。
「メクリヤ、お前はまだ磨き上げたわけじゃない。お前の技はまだまだぎこちないし、無駄も大きい。盾で攻撃ができないわけじゃない。ただ、盾は、セイズの言った通り守るためのものだ。他人を守ると言う言葉の意味はわからなかったか?他人を守るにはまずは自分自身が生きていなければならない。そう言う事だ」
「くっ!わからない!なぜ!なぜ!俺は磨き上げた!そう!敵なしになるぐらいに!磨き上げたはずなんだ!」
そう言ってメクリヤは俺たちに突っ込んできた。
「はぁーー!『湾曲縦振り・滅』」
俺は素手で奴の攻撃を防ぐ。
「なっ!」
「盾は、人を傷つける物じゃない!お前のその考えを正さない限り、お前の勝ちは来ない!頭を冷やして出直しな!」
俺はメクリヤを押して尻餅を着かせる。
「イッデ!」
俺はセイズに、話しかける。
(後は、お前の仕事だ)
(すまないな)
俺はメクリヤに手を差し伸べる。
「強くなることに貪欲なことはいいことだ。お前なら、そんなに時間がかからずに成長できるだろう」
俺はメクリヤのことをセイズに任せてその場を後にした。
「次はどうしようかな?」
俺は空を見上げる。
「雲行きが怪しいな。外で練習している奴から見に行くか?」
そんな事を呟きながら俺は次なる生徒の元へと歩く。
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