第3話 四日間だけの
「その猫、アメリカンショートヘアに似てるわね、多分
お母さんがそう言っていた。アメリカンショートヘアってあの人気の猫? 凄いな。ねずみ色でしましま模様の猫。可愛い。
私は猫を(四日間だけ)飼ってもいい状況に浮かれていた。まずはお風呂に入れなくちゃ。テレビで猫を洗う場面を見たことがある。シャンプーで洗えばいいんだよね。また怒られたら怖いので一応お母さんに聞いてみた。お母さんはスマホで調べていた。
本当は猫用シャンプーで洗うみたいだけれども無いので
ようやく洗い終わってリビングに連れて行ったら猫は思いっきり体を
猫に牛乳をあげたらぴちゃぴちゃと音を立てて飲んだ。可愛い。お腹が
月曜日になった。約束の四日間が終わった。私が学校に行っている間に猫を元の場所に置いてくると言われた。私は反対した。けれどもお母さんに「四日間だけの約束だったでしょ」と厳しい顔で言われた。
「私は
私の最後の反論だった。私は
とても
「桜の言う通りだったよ。勝手に飼うことに決めて超怒られて怖かった」
「結局猫はまた捨てられるんだね」
桜の言葉がぐさりと刺さった。
「美南は
礼香の言葉もぐさりと刺さった。私はいつもよく考えないで行動してしまう。それで失敗をしてよく落ち込んでいる。この二人に慰められたり指摘されたりしている。色んな感情が起こっているうちに違うことを考えてしまう。気づいたら放課後になっていた。
家に帰ると猫はいなかった。猫はまた捨てられたんだ。私は泣いた。私が気まぐれで拾って、飼えると思ったのに飼えなかった。猫は飼い主が見つかったと思って喜んでいたかもしれない。ぬか喜びをしたあとでまた捨てられるなんて、もっと苦しいと思う。猫に申し訳なくて泣いた。ごめんね。
にゃあ。
「猫!」
名前をつけていなかったので、猫と叫んだ。
「家を覚えてしまったのかしら……」
私は猫の世話を一生懸命した。休みの日も一緒に過ごした。猫の名前はミルクにした。最初家に来た時牛乳をたくさん飲んでいたから。ミルクは私の足に体をくっつけてすりすりをした。これ、甘えているんだって。可愛いなぁ。
ミルクを飼うことになった話を桜と礼香に話したら一緒に喜んでくれた。二人を家に呼んでミルクとご対面させた。二人とも「可愛い!」を連発していた。
最初はミルクの話で盛り上がって、だんだんゲームの話になっていった。私は今、ゲームよりミルクなんだよなぁ。でもつきあいがあるから話を合わせていた。
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