暑い国と寒い国

夜ノ海 大河

暑い国と寒い国

昔むかし、とても暑い国ととても寒い国がありました。

ふたつの国の王様は他の国の情報を得て、発展、繁栄をしていこうと考えました。

ふたつの国はまず手紙でやり取りを行い、次に国の特産物を贈る事にしました。

暑い国は美しい花々を、寒い国は美味しい氷菓子を送りました。

しかし暑い国に来た物はベタベタした箱。中を開けるとゴミが入っていました。氷菓子が溶けてしまったのです。

暑い国はとても暑く、氷菓子なんて見たことありません。

勘違いをした王様は大変激怒しました。


対して寒い国に来た物は、中を開けるとこれまたゴミが入っていました。寒さで美しい花々が砕け散ってバラバラになってしまったのです。

寒い国はとても寒く、花はもちろん草木など見たことありません。

勘違いした王様は大変激怒しました。

2人の王様は国の良いものを贈ったのにゴミを送るとは何事かと腹が立って仕方ありません。


2人の王様が相手の国に攻撃を始めようとした時、それを見ていた神様が

「争い事はやめなさい。私がどうにかしてあげよう。」

と、止めに入りました。

2人の王様は神様の言われた通りにしました。

暑い国の王様は息子に美しい花々を持たせ、寒い国の王様は娘に氷菓子を持たせました。


神様は息子と娘を天に連れていきました。

天に着くと、2人はそれぞれ持ってきたものを手渡しました。

まずは暑い国の息子が美しい花々を渡した際、寒い国の娘は花や草木を見たことがなく、とても感動しました。

「暑い国にはこんなに美しい物があるのか……」

対して、寒い国の娘は氷菓子を渡した際、暑い国の息子はそれが何か分かりません。

食べ物だと教えてもらい、1口食べるととても感動しました。

「寒い国にはこんなに美しい物があるのか……」

2人はとても感動し、急いで帰り王様に伝えました。

王様はお互いに勘違いしていたことを反省し、2つの国は同盟を結ぶ事にしました。

こうして2つの国はお互いの情報を共有し、繁栄していき、大きな国へとなり、末永く手を結んでいきましたとさ。



おしまい

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暑い国と寒い国 夜ノ海 大河 @karakuti-frog

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