第3話



「待てやコラ! 」


 怒鳴りながらバイク走らす先輩達の後を、タツオは追いかけていた。

 

 こんな今の状況に興奮しながらも、おっさんに言われた事が頭に残っていた。

 

「メット被んないで走るとかバカだろ」


 タツオはおっさんの言っている事が理解できなかった。

 

 そんな危ない事をする訳ないだろうに

 

 ただの遊びにそこまでのリスクなんて取る訳がない。

 

 そもそもこっちはちゃんと貢物はしている。

 

 金と女さえ与えておけば、あいつ等が手を出してくるなんて事はないのだ。

 

 ちゃんと線引きはできている。

 

 そう言う事がわかっていない奴が何を偉そうに言っているのか?

 

 悪があるから正義な必要なんだろうに。

 

 ただの役割だ。

 

 そうしておっさんのケツを追いかけ回していた先輩達がスピードを落とし

 

 合図をする。

 

 どうやら今日はここまでらしい。

 

 タツオ達は何も無かったようにまた、走り出す。

 

 

 

 

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