第32話引き分けのない世界

 僕(私)も日記の締めに『悪夢を見ろよー♪』はよく使う。そしてこの『ナニワの金借り』さんの日記を読み。オチの部分で僕(私)は「黒のTバックはおばあちゃんのじゃなくて中年のおじさんとかの方が面白いのでは?」とか思っちゃったりもしたり。素直に人を認めない悪い癖。誰かのブログで読んだことがあった人生で大切なこと。


『身近な人間を尊敬出来るのは才能のひとつである』


 僕(私)は他人の才能を認めたくないのかなあ。これが成功者であり、僕(私)が小説家になったとして。有名な作家とかになれば惜しげもなく他人をバンバン褒めると思う。成功しない、勝ってないからひがんでしまう。


「『たいたにっく』ふゅーちゃりんぐさざえさん」


じゃっく「ええ、そうです。つまり、僕は僕の人生に必要なものはすべて、今持っているということです。僕の肺は空気で満たされてますし、2~3枚の空白の紙も持っていますし、それに、毎朝、今日は一体何が起こるのだろうと、誰に出会うのだろうとワクワクして目覚める感覚が大好きです。ほんの数日か前、僕は橋の下に寝泊りしていたのに、こうして今は、世界最高級の客船に乗り、あなたのような素晴らしい人とシャンパンを楽しんでいるではありませんか。僕が思うに人生は贈り物であってそれを無駄遣いするのはもったいないと思うのですよ。次に何が起こるかわからないではありませんか。人生は与えられたもので僕たちはその与えられたものをどう受け取るかを学習するものなのだと思います。だから、一日一日を大切に生きていくべきなのですよ」


ろーず「わたし、飛んでいるわ!じゃっく!!」


(たいたにっくドーン!)「うわー!きゃー!沈む―!」


じゃっく「ろーず!君は行くんだ!!」


ろーず「いや!私もここに残る!!」


じゃっく「ノー!行くんだ!」


ろーず「いやー!わたしは行かない!ここに残る!」


じゃっく「早く!彼女を連れて行ってください!」


船員、ろーずをつかまえて二人を引き離す。


しかし!ろーず、じゃっくの元に戻ってくる。


じゃっく「君は何をしてるんだ!何故戻ってきた!!??」


ろーず「あなたが飛び降りたら、私も飛び降りる。そうでしょ?」


じゃっく「…分かった」


ろーず「最後まであなたと一緒よ…」


ろーずの婚約者「沈んじまうたいたにっくで二人楽しく、最後までいなよ!ふん!」


じゃっく、ろーずを船に乗せる。


じゃっく「君は生き残るんだ…。そして、君はたくさんの赤ちゃんを作って、子供たちが成長するのを見守るんだ。年を取って、暖かいベッドで死ぬんだ。ここじゃない。いいね?船の切符は僕の人生で最高の贈り物だった。君に会えたからね…ろーず…。あきらめるな」


ろーず「いつまでもあなたと一緒にいたい…じゃっく…」


ボートの責任者の人「船が出るぞーーーーーーーーーーーーーーーーー―――!!」


ふね「はい!フネです!最近はますおさんから視線を感じ、女を取り戻しました。いえ、私はきっと恋をしていたんでしょうね。なみへーとはもう数十年、関係はありません。形だけの夫婦でした。その相手がただ単純に娘の交際相手だったというだけです。さーて♪来週のさざえさんは?


『いくらはだれのこ?』


『わかめ、わけわかめこんぶ』


『かつお、のたたき』


の三本ですー♪」


ぷろでゅーさー「お前…、自己責任やで(たばこぷかあああ)」


 僕(私)の日記にはマロン君と静香さんだけがコメントやいいねをくれる。閲覧者数はもう、毎日三桁を超えたり惜しくも超えなかったりの繰り返しで。実際にマロン君は『爆笑してコーラ拭きましたよーwww』とか書き込んでくれるし。絶対他の閲覧者のツボにもハマってるはずであり。それでも頑なにいいねもコメントもくれない。男性は足跡で見た人が分かるのに。この人たちは『身近な人を尊敬出来ない』人たちなのかもしれない。でも僕(私)も同じようなものだ。自己承認欲求の塊。モテたいとか仕事が出来るとか運動が出来るとかではない。書くことの自己承認欲求の塊となったモンスター。それにブレーキをかけてくれるのがあのブログで読んだ言葉とマロン君と静香さんであり。僕(私)のような人は多いと思う。そんな人のブレーキとなる存在っているんだろうか?とか考えたり。とにかく小説家を目指す僕(私)は勝つか負けるか。引き分けのない世界で戦い続ける。

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