第30話君は書くべきだ。

 マロン君や静香さんの日記は個性があり。かずやさんの日記は嫌な件があってから見なくなり。けどフォローを外すことはせず。相変わらず日記は毎日更新するけれどランキングの一位どころか百位内にも入ることは出来ず。そもそも閲覧者数やいいねやコメントの数はランキング百位でもかなり多く。ピュアにアダルトな画像を貼り付ける人も多くて。女性が自称ヤリマン宣言してビッチな日記を書くといくらピュアでも上位に必ず食い込んでくるのが現状であり。また、風俗店やお水系で働いてる人は男女問わず人気があり。僕(私)はそりゃ当然でしょ、ラーメン屋さんがラーメン屋さんの話を、お医者さんが医者の話を書くことは出来る。取材しなくてもそれが仕事なんだからと意地悪に考えてしまう。


「それって結局その世界しか書けない一発屋と同じでしょ?」


 カイジを描いた人が鉄骨渡りなんかしたことないと思うし、エルとかキラを描いた人が人の名前を書き込んだらその人間が死ぬノートを持っているはずはなく。海外の洋書、ビートジェネレーションを代表するジャック・ケルアックの代表作『路上』は結局『自分史』であり。それでもいまだに読まれ、あの辻仁成さんが影響を受けるぐらい素晴らしい作品であるのはその文章力にあり。誰もが興味を持つ『性』の専門的知識で人気を取られるとサイレントジェラシーを感じる。でも小説家になりたい僕(私)もその道は避けて通れない。いろんなものを書く。それが理想であり宮部みゆきさんはすごいと思っている。いろんなジャンルが書けるから。マロン君はマロン君で昔はネット小説を投稿していただけあって文章は下手ではない。今も投稿してるのかは知らないけれど。画像にも卑猥なものは貼らない。サイクリングに行った話とかゲーセンでぬいぐるみを取った話とか。そういうのを読みやすく書く。友達と山登りに行ったらものすごい数のエッチなDVDを拾って平等に分け合った話とかすごく面白かった。マロン君はそういうセクシーな単体女優さんに詳しい。それにマロン君はたまに『信念』を持った日記を書く。それを書けばコメント欄が荒れるんじゃあないかという日記を。有名な役者さんの配偶者さんが亡くなった時に世論は偏った。でもマロン君は世論とは逆の意見を書いた。それは僕(私)も感じてた「モヤモヤ」を言語化した日記であった。もうその時には僕(私)とマロン君は気軽にお互いの日記にコメントやいいねをする間柄だったので僕(私)はその日記にこうコメントした。


「これって…、更新ボタン押すのすごく勇気と時間を使ったのでは…?ちひろもマロンさんの考え方に一票ですね。もちろん同意の方で」


「バレました…(笑)更新ボタンを押す手前で固まってました(笑)でもやっぱり僕はそう思うってことなんです。でも炎上するかな?と思ってましたけど…。ほとんど読む人がいなくてセーフでしたwww」


 マロン君。君は書くべきだ。もっと違うところで。僕(私)はそう思っている。


 静香さんはタブーとされる『政治』、『宗教』、『野球』の話も含め書きたいことを誰も傷つけないような文章で書く。イチロー選手をリスペクトする内容であったり、多少高くても発泡酒よりビールを飲んだ方がいいと思うけれど発泡酒には発泡酒の良さがあって結論として正解は未だにだせないって内容のとか。僕(私)は相変わらずタイトルで釣ることばかり書いていて。『釣りのちひろ』としてちょっとは知られてきたのかな?と思っていたり。そんな中、静香さんから初めてコメントを日記に書き込んでもらった。


「ちひろさんはとても上手でユーモアな日記を書かれますね。同じような方で『ナニワの金借り』さんという方もお勧めです。機会があれば一読してみてください」


 僕(私)は二つの感情を持った。静香さんみたいな知的な方に文章を褒められた嬉しさと『ナニワの金借り』さんって人がいるんだ、ライバル?という気持ち。だってニックネームの時点で面白いし。僕(私)は『ナニワの金借り』さんの日記を検索してみた。

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