第26話不器用さが美徳だと思う
僕(私)は昼間働きながら自分の作品のことを考える。社長が僕(私)の頭の中を見ることが出来るならきっと減俸、もしくは解雇だ。普通に考えれば通勤時間中とかに考えればいいと思うのだけれど、そういう自分の時間に限って逆に創作とは切り離したいものであり。ちなみに僕(私)は最近『人間観察』にハマっている。通勤中の電車の中や駅のホームで電車を待っている時とか。この世は変わった人が意外と多い。人目をここまで気にせず駅のホームで傘を逆に持ち、ゴルフのパターの練習をする人が現実として存在する事実。ゴルフのことは詳しくないし、専門用語なんかまったく分からないけれど傘で『ドライバー』フルスイングの練習をする人はいない。周りに迷惑を掛けない『パター』である。僕(私)はそれを見ながら「あれって意味あるの?」とか思いながら、同時に「ああ、パターなら穴に刺してある旗の棒をとるキャディーさんとか必要じゃない?それを僕(私)がやりましょうか?」とか言ったりしたら逆に僕(私)はその人や周りの人にもっと変な目で見られるのだろうとも考える。でもそれぐらいの想像力は一流の書き手になるには必要だと思う。今はネット小説でテンプレ作品が垂れ流される。売れるからだとか、需要があるだとか、祝書籍化だとか。あれだけテンプレ作品ばかりが本になっているのを見ると僕(私)は一種の被害妄想を持ってしまう。僕(私)の『破門状』が出版業界には流されてて。それだといくら紙の応募に拘ってても時間の無駄なのではと本気で考えたりもする。売れない漫画家さんを知っている。売れないバンドマンを知っている。売れない人たちは共通してアナログだ。昔はネットなどなかった。僕(私)が同人誌で書いてたように。漫画家になりたい人は描いては編集部に持ち込み、ボロクソに言われ。でも漫画家さんは持ち込み制度があっていいじゃんとか思ったり。バンドマンはライブハウスで演奏する。今はユーチューブとかもあり。ウィキペディアに載るぐらい頑張ってるけど今も売れないバンドマンは数少ないファンか知人かは知らないけれどライブ動画がユーチューブにあげられてたり。そして再生回数が数百って数字を見て「うわあ」とか思ったりしたり。メジャーな歌手のPVなんかは何百万と再生されてるのが現実であり。実は僕(私)の知り合いの売れないバンドマンのヴォーカルの人なんかは今の表現者の在り方にすごく不満を抱いていて。
「結局さあ、駅前でストリートでコピーを演奏して歌ってるのを見たって金払ってカラオケ行ってやれよって思うし。ああいうとこで足を止めて演奏を聴く人ってのもルックスとか違うもので勝負してるって言うか。勝負してないし。やるんならライブハウスでオリジナルで勝負しろよって。まあ、負け犬の遠吠えなんだけど。街を汚すんじゃねえよって思うし、音楽舐めんじゃねえよって思うけど、でもあれだけかわいい子なら舐めて欲しいかなあ」
表現者として創作物を世に出すには不器用さが美徳だと思う。
仕事中にスマホからサイトをチェックする。マロン@ラブライバーさんから昨夜の日記にいいねがついてる。コメントはついてない。マロン@ラブライバーさんは仲のいい人の日記にコメントをするけどその日記すべてにコメントを書く人ではない。そして。僕(私)の日記に新しいフォロワーが。
かずや(岐阜県 三十四歳)
おお。
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