第3話プロフィールを書き込んでいく僕(私)

 ちひろ。


 中世的でなんとなくいいかも。氷室とか小室とか安室とかも考えたけれど。工藤清一色とか緑一色多恵は事故では済まない。


 年齢。


 ここでも考える。盗んだバイクで走るのが十五歳。伊代はまだ♪なら意外と何歳でも通用する。実年齢通り書くことが出会った時にボロが出なくていいらしい。でも出会いは求めてないし。でも若すぎてもいけないし、高齢すぎてもよくないかも。三十五歳と入力。


 写真(写真を載せれば出会い系サイトでは強いらしい)。


 あ、これ大事かも。かと言って自撮りしてそのまま載せるのも怖い。それに今はアプリでどんな顔でもプリクラの様に加工できる。ラインで自撮り写真を使っているけれど反則のような人を何人か知っている。写真は後から変更も出来るみたいなのでとりあえずコップでブリッジしているフチ子さんを撮影し、運営に送る。写真は運営会社が許可したものしか載せられない決まりがあるらしい。確かにそれをしないと卑猥なので載せる人も出てくるだろうと考えた。十分ほどで運営会社から許可が下りた。


 住んでいるエリア。


 東京。実際には全然遠いところに住んでいるけれど。


 職業。


 もちろん小説家と言う選択肢はない。自営業とか公務員、フリーター、ニートまである。会社員、会社役員。お年玉で一億円配っちゃうような人なら迷わず会社役員を選ぶんだろう。僕(私)は小説家になりたい会社員だ。会社員を選択する。


 身長。


 こんなこと自己申告で実際に会った時に全然違うと怒る人もいるのかな?昔は三高の一つとして学歴、年収と並んで身長も重視されていた。そう言えば昔から百六十とか百七十とかピッタリの場合は大概サバを読んでいると聞いたことがあった。それに逆なら女性は背が低い人がタイプだとか背の高い人がタイプもあると思う。今はそれぞれ好みがあるから一概に背が高い方が有利とかはないんじゃないかなあ。バスケットやバレーボールでも身長が高くなくても活躍している人も多いし。百七十二センチと記入。平均的と言う意味で。


 体型。


 なるほど。ここもスリムからぽっちゃりまでの選択式。先ほどの住んでるエリアとかも合わせて、おそらく会いたい相手の条件をこれらで絞って太っている人が嫌な人はスリムとかガッチリを選ぶのだろう。やっぱり出会いに見た目はとても重要なのだ。そりゃあイケメン俳優さんみたいな人やアイドルみたいな人の方が絶対に有利なのは分かる。でも誰だって顔は生まれつきだし、僕(私)は交際する異性に見た目を求めない。生まれつきには抗えないし、世の中には病気で太る人だっている。男性はお金を持っていれば見た目関係なくモテるし、女性は見た目がよければまあモテる。あと、女性には伝家の宝刀がある。無料でやれるなら、やらせてくれるなら誰でもいいと言う意見は割とよく聞く。世の性犯罪の被害者はほとんどが女性であるし、痴漢の冤罪だとしても痴漢とは男性が女性の体を揉み揉みさわさわすることだし。でもこういう出会い系サイトを男性が有料で、女性が無料である時点で男性はお金ありきって考えは正しい。ここは無難に普通を選択。


 血液型。


 うーん。血液型とはそんなに大事なのか。血液型占いがあるぐらいだから不思議でもなんでもないのは理解出来るけれど。O型の相手じゃなきゃダメと言う人とかいるのかなあ?血液型ってA、B、O、ABの四種類だし、僕(私)はRhマイナスだし。血液型って他にも種類があったような。輸血する場面が後々来るから前以て申告しておくなら分かるけど、恋愛対象の血液型ってそんなに大事なのだろうか?血液型関係なく几帳面な人は几帳面だし、人の血液型を聞いてから、それは嘘だあと言う人もたくさん見てきた。これも相手を探す条件に使うのか。その時点で出会いのチャンスをほぼ四分の一に狭めているんじゃない?無難にAを選択する。


 星座。


 星座占いもあるぐらいだから…。もうこの辺はネットのアドバイス的なサイトにもこれを選べばいいとか書いてない。さそり座の女もいいけれどここは乙女座の男を選択。

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