シュークリーム(短編)

皿の上にはシュークリーム。

きちんとした洋菓子店で買ったそれは皮が上下に分かれているタイプの、スタンダードなカスタードクリームを挟んだものだった。

クリームは6、7センチほどの高さに巻かれ、振るわれた粉糖の白も相まってより鮮やかに見える。その上にちょこんと乗せられた皮は、まるで帽子のようで可愛らしかった。


帽子を手に取り、淡い黄色をすくってひとくち。卵黄とバニラビーンズの香りが鼻まで抜ける。ふわりと柔らかく、しっかりしたカスタードの甘みがまるでとろけるような心地になる。

シュー皮はしっとりとほのかに、けれどクリームに合わせて甘すぎない味。主張し過ぎず、控えめな存在感を醸し出していた。


甘さが控えめで、とても食べやすい。もうひとくち、もうひとくち、と口内に運んでいって、最後には粉糖しか残らない。


「ふう、ごちそうさまでした」

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