スピード&カット dive
春嵐
八課のサイバー課長
「認証。公安の権限で電子回線をハック」
『課長。どこへ行ってたんですか。大丈夫ですか。傷は』
「うるさい。情況だけを伝えろ」
『最終防衛線以外は全て陥落しました。公安の別の課の応援があって持ちこたえていますが、このままだと数日で落ちます』
「社会インフラをブラックアウトさせるわけにはいかない。応援に来た別の課のやつに繋げ。今から俺が出て、敵を全て壊す」
『了解しました。別の課に繋ぎます。課長が戻ってきてくれて、うれしいです』
回線が途切れ、再び繋がる音。
『おう。あんたが八課の課長か』
「そうだ」
『俺は総監の雇われ傭兵だ。呑み屋で酒がただで呑める権利と引き換えに社会を守ってる』
「信用できない」
『俺だ』
「総監」
『大丈夫。こいつは俺がたまたま見つけたやつだ。使える。この前の焼き畑もこいつの仕業だ』
「そうなんですか」
『そういうわけ。だからあんたが来てくれて嬉しい。電子回線に自分の記憶を繋げて電子空間に入り込むことができるやつ。八課のサイバー課長』
「俺が今からダイブする。お前は道筋をつけて援護してくれ。3日で終わらせるぞ」
『3日ね。はいはい。どこから焼きます?』
「ダムと発電所から」
『インフラじゃないすか。焼いていいんすか』
「敵が見つからないのは、内部からの攻撃だからだ。社会インフラの中に賊がいる」
『ひええ。そういう仕組みだったのか。焼き畑で出てこないわけだ』
「行くぞ。3日だ。3日で終わらせる」
『はいはい。あ、そうだ』
「なんだ。時間が惜しいぞ」
『名前。名前教えてくださいよ。サイバー課長でもいいすけども』
「八課だ」
『え?』
「八課という名前だ。だから八課のサイバー課長だ」
『うそ、ほんとすか総監』
『いや、俺もサイバー課長の名前は初めて知った。総監だけど。だって公安は基本匿名だし』
「もういいだろう。始めるぞ」
スピード&カット dive 春嵐 @aiot3110
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