応援コメント

第5話」への応援コメント


  • 語彙力がなく、全てを感じたことを文章で表現しきれませんが、とても感動しました。

    特に、どこまでも大きく物騒な海開き前の海とは裏腹に、殿下の幼く、素直で綺麗な心が対比のように感じ、とても美しいなと思いました。

    その中でも、殿下の不安定になった心は、悲しくも綺麗でした。
    それは、3話で、殿下はまだ許嫁と色々やりたいことがあるのに、生まれ持った力で宮廷の帝としての大きな責任を背負った苦しみが描かれていても、付き人たちのことは恨もうとしていなかったところです。また、恋人が恋人でなくなっている、幻だと分かっているのに、死んでしまったらもう元には戻らないのに、それを頭で分かっていても幻に縋ろうとしたのだと思うと残酷ながらもまっすぐな愛が綺麗だと思いました。

    そして改めて、死ぬことは、全ての生物に不可侵で、どうにもならないことだと痛感しました。

    そして、5話で侍従が殿下は幼いと語っておられましたが、本当は忘れる方がぜったいに楽なのに、悼むことを選んだ殿下は覚悟があって本当にすごいと思います。許嫁が殿下と会えなくなった辛さで自殺したのならこれからも苦しみ続ける思いますが、それを受け入れようと進む殿下は残酷ながらも心が綺麗で、殿下にふさわしく、これからの幸福を願うばかりです。

    これから、儚く少年を過ぎた殿下の心がどう変わるかは分かりませんが、どうかいいように進んでほしいなと思わずにはいられません。

    最後に、実際の海も、改めて海は陸とは棲む生物も全然違い、深いところまでは人間は行くことができないなど、陸とは全く違う世界だと改めて思いました。この小説の世界では、海開きという儀式を行うことで人間は足を踏み入れることが許されるけど、その逆は許されません。しかし現実でも「お盆の海には死者の魂が還ってくるから近寄ってはいけない。」と言われていたり、海は何かと私たちの眼には神秘的に映るので、明言されていないだけで実際にそのような儀式もありそうだなと思いました。

    これから、太陽に照らされてキラキラと光る海をみても、殿下は大丈夫かなとか今年の海開きはどうだったかなとか、別の生命体がいるのではないかなどと考えてしまいそうです。

    本当に素晴らしい小説をありがとうございました。


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    本当に長々と駄文を書いてしまい、申し訳ないです。力不足を感じ、もっと勉強をして改めて語彙力をつけたいと思いました。

    7月も終わりますが、まだ暑い日が続くのでどうかお身体にお気をつけてくださいね。

    次回作も楽しみにしてます。

    作者からの返信

    丁寧に読んでいただいて、そしてコメントまでいただいて恐縮です、ありがとうございます。
    自分が死ぬことと、他者が死ぬこととの向き合いかたは、創作が救いを示せるものなのかなあと思っていて、この作品では忘れるということをテーマんしてみました。忘れることろ悼んで生きることは、一見相反するけれど実際はお隣さんなのかな、というのが今の私の意見です。悼んで生きる先に、ポジティブな忘却があるというか、なんというか。

    語彙力がないなんてとんでもないです!とてもまっすぐな感想で照れてしまうくらいです。
    リクエストいただいてだいぶ時間かかってしまいましたが、楽しんでいただけてたらうれしいです。