　昨夜のこと。

　半月ほど前から光熱費削減のため夫と寝室を共にする私は、静かに布団に入った。丸いガラステーブルの向こうからベッドに寝ている夫のいびきが聞こえた。

　夫は、よく無呼吸になる。入眠中に夫のいびきが聞こえると、元看護師の性なのか瞼を閉じたまま大体の秒数を数えてしまう。う～ん、いつも十秒ほど。

　今夜は今のところ無呼吸が無いなと思いつつ少し微睡みかけたころ。

　パン・パンという音に現実に引き戻された。

　一瞬、何だろうと思いかけたが、直ぐに理解した。

　布団の中で笑いが零れた。

　夫の狸の腹づつみだった。

　沢山美味しいものを食べた後に「もう、お腹いっぱい」と言って、お腹をパンパンと、叩く音。

　実は目が覚めていて冗談でやっているのかもと疑ったが、直ぐに否定された。

　だって、いびきが続いてるもの。

　う～ん、夫は夢の中でどんな美味しいものを食べたのかしら。

　今朝、夫に聞いたが、小さな目をぱちぱちとさせていた。

　あ～、やっぱり夢の中のご馳走を忘れちゃってたか。

　何だか、ちょっと残念だわ。

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