カメムシとの格闘
テレビでカメムシが多いと言っていたのを(ふ~ん、今年は街が多いんだ)と、他人事のように思っていた。
自分でバカだなと思う。
こんなに自然豊かに生い茂る山間で少ないはずはない。
流行と同じようにカメムシまでもが街から遅れてやってきたこの幾日か。
日々闘いは続いている。
朝の換気も八時過ぎにはカメムシが窓を開けた瞬間に入ってやろうと待ち構えてる気がする。
網戸に張り付いているカメには「カメ。あんた、寒くないんかね。こんな早くから」と、声を掛ける。我が家では、カメムシをカメと呼んでいる。
サッシの隙間に身を隠すカメには「あんた、こんな所に隠れて。でも、見逃さんよ」
時々、開けた瞬間に私の頭に落ちてくるカメがいる。
「カメ。びっくりするやん。もう、絶対に許さんからね」と、必死に捜索し排除した。
最近は、こちらも少し知恵がついた。
朝の換気で死闘を繰り返さないために何が大切かを心得た。
前日の夕方、気温が下がり始めたあとに、できる限り窓付近にいるカメを排除しておく。気温が下がるとカメは動きが鈍く排除しやすい。
命からがら逃げたカメも、再び窓に戻ってくる元気はないような。
そして、最近あることを知った。
カメは白色が好きだということを。
何故、今まで検索しなかったのだろうかと思う。
ただ思い込んでいた。
散歩時に蜂に刺されないように白いタオルと白いシャツを身に着ける私は、カメも同じだと思っていた。
だから、洗濯を干す際には、わざと外側に白物を干すようにしていた。洗濯物が白い鳥に見えて、カメが怖がるかなと。
でも、逆だった。
カメをおびき寄せていた。
思い込みは恐ろしい。毎年、同じことを何十年も繰り返していた。
そういえば、今の家に越してきた直後に地元のおじさんが「白いカーテンやなあ」と、言っていた。
もしかしてカメムシのことを危惧していたのかしら……想像しすぎかしら。
今度、レースのカーテンを変えるときは、色物にしようかな。
壁も塗り替えの時には濃い色に。
しかし、蜂にはどうなんだろう。
う~ん、自然の中で暮らすのは難しい。
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