神フィットを喜ぶべきか悲しむべきか

 我が家には私のお気に入りのマッサージチェアがある。

 購入してからもうどのくらい経つだろうか。優に十年は過ぎていると思う。

 最近になってカバーの劣化が激しくひび割れが日々増強している。モーターは大丈夫。きちんと作動してくれる。

 だから、使用する。

 すると、ぽろぽろとまるで私の肌そのものが劣化し落屑しているように、肩や腕に剥がれたカバーがくっつく。

 でも、使いたい。諦めたくない。

 それならと、大判のバスタオルを敷いてみた。

 いいじゃん。とてもフィット感がある。

 マッサージを開始すると以前よりも強くしっかりとした圧を感じる。

 半時ほど至福に酔いしれながら考えた。

 何故これほど神フィットしているのか。

 バスタオルの厚みなのかと納得しかけ、それだけではないことに気が付いた。

 そういえばここ一か月ほど、腕も足も体幹も妙にしっかりとマッサージチェアに挟まっているような感覚があった。

 もっと遡ると購入当初はフラット近くになる時に、体が下に滑りずれていたような。チェアと自身に隙間があったような気がする。

 そうか。

 そうなんだ。

 今月はお盆の月だった。

 確かに美味しいものをいっぱい食べたしアルコールも入った。

 盆が終わってからもタガが外れたまま。

 ひと月で数キロの体重増。購入したころからだと・・・考えないでおこう。

 

 マッサージチェアの神フィット、とても気持ちいいんだけど。

 喜ぶべきか悲しむべきか。

 いやいや、焦るべきだろうか。


 明日から自重しよう。


 

 

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