真夜中に鳴ったのは。
ギュルルル、ギュッ、ルル
真夜中、異様な音が響き慌てて起きた。
えっ、何の音なの。
暗闇のまま確認せずに寝るのは怖かった。
日中の出来事と新聞記事が頭に浮かんだ。
先ず一つ目は、風通しのため網戸にしていた窓を閉めようとしたらガラスとガラスの間にスズメバチが張り付いていた。そのままガラスを閉めようとしたら室内に入ってしまうため、悪戦苦闘した。
蜂も必死だったのだろう、おしりをピクピクとしていた。刺されたくはない。辛うじて事なきを得たのだけど今度はアブに脅かされた。
いつもの午睡の場所を夫に占領されて、違う部屋で畳の上に寝転がりうとうとしだした時にガサガサという変な音が響いた。見遣ると障子のあたりに黒っぽい影。部屋の中なので近寄って確認するのは危険だ。取り合えず蜂ジェットの出番。ここ数年使用していなかったのに本日二回目の活躍。
あとで確認したらアブだった
畳の上は油っぽくぺたぺたとしていて仕方なく拭き掃除をする羽目に。
溜息を洩らしながら朝の新聞記事を思い出した。
読者投稿欄。
エアコンを点けたら変な音がし、吹き出し口にひも状のものが見えた。引っ張ったら蛇だったという内容。〔山〇新聞、8月6日〕
衝撃的だった。
日中のことから『二度あることは、三度ある』という言葉が頭の中をぐるぐるし三度目は何かとずっと気になっていた後の出来事。
照明を点けエアコンを睨みつける。
何も変なものは見えない。
ギュル、ギュルル
お腹が鳴った。
えっ、もしかしたら自分のお腹の音だったのかも。
そういえば少しお腹が空いている。夕食をあまり食べていなかったことを思い出した。
ありゃりゃ、真夜中に一人でびっくりして右往左往した自分が情けない。
でも、誘惑に負け台所に向かわなかったことだけは、褒めてやりたい。
ああ、低レベルだわ。
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