第6話 思考

 次にBくんに会うまで、Aくんはどうすればいいかをずっと考えていた。高校にも行かずに、自分の部屋で、これからどうするべきかを、食事も取らずにずっと考えていた。

 Bくんに会った次の日、いつも通り高校に行くと、Bくんと話し合ったあと、解散した出入り口のところを写真に撮られ、学校新聞に早速記事にされ、掲示されていた。また、SNSにも写真が上がっており、Aくんは誹謗中傷の的になってしまった。3日間は高校に行ったが、とうとう耐えられなくなり、39度越えの熱を出したのをきっかけに、高校に行かなくなった。退学したわけではないので、高校から連絡は来ていたが、しばらくしてそれも無くなった。

 そんなある日、Aくんの実の父が亡くなった。連絡がきたのは突然だった。葬式の招待状が届いたので、参加することにした。葬式の日は1週間後だ。Bくんには連絡を入れ、次に会う予定を延期してもらった。

 式当日、Aくんの母親もいたが、声をかけることはなく、向こうから声もかけられることもなかったため、一言も話をしていない。遺骨は、A君の父親の両親が引き取ることになった。

 1週間後、Bくんと会った。父親の葬式のことを話し、Bくんの事情も聴いた。以前会った後、Bくんの高校でも噂になったらしく、Bくんも攻撃の的になった。その為、Bくんも高校に通っていないようである。

 そんな中、身近に人間の死を感じたAくんが、こう言った。

「ねえ、俺、この世からいなくなろうと思うんだ。つまり自殺。どう?」

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