第4話 絶望
この事件をきっかけに、A家は崩壊しつつあった。連日のようにマスコミが家に来て、継父は転勤という形でその場から逃げた。母親は結局仕事を解雇され、道路交通法第65条1項違反と、危険運転致死傷罪により、5年の有機懲役の判決が下った。そして、まだ高校生だったAくんは、結局親戚に引き取られ、今も高校に通い続けている。しかし、彼への苛めはエスカレートしていく一方だ。毎日机の上に落書きや木彫りされ、椅子にも「消えろ」「人殺し子供」とまで書かれ、SNS等でも「人殺しの子供可愛そすぎて草」「よく外出れるねww」等と、Aくんへの誹謗中傷で埋まっていき、とうとう彼は精神を病み、引きこもるようになった。引き取り先の親戚はしょっちゅう出張でいなかったので、食事を取るわけでもなく、ゲームをするわけでもなく、寝るわけでもなく、ただただ部屋で膝を抱えて震えていた。そうしているうちに、事件から半年が経とうとしていた。
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