第2話 生まれながらの名馬
スイープトウショウは、2001
トウショウ牧場と言えば、1970年代に『天馬』と称された名馬トウショウボーイを送り出すなど、伝統あるオーナーブリーダー(
スイープトウショウの母であるタバサトウショウ、祖母に当たるサマンサトウショウもその名が表すようにトウショウ牧場(馬主名義はトウショウ産業株式会社)の持ち馬であり、その
父親のエンドスウィープは、日本とアメリカの双方で活躍馬を送り出した
エンドスウィープはスイープトウショウが生まれて二年後に
偉大な祖父の血を受け継ぎ名種牡馬の
そして、それから二年後の2003年10月にスイープトウショウはデビュー戦を迎えた。単勝1.8倍という圧倒的な1番人気に推されたスイープトウショウは、後方から一頭だけ次元の違う
力の差をこれでもかとばかりに見せつけたスイープトウショウは、年末の大一番であるG1レース・阪神ジュベナイルフィリーズ(芝1600m)を、単勝2.1倍の堂々の一番人気として迎えることになった。
しかしながら、このレースではいつものように後方から追い込みを図るものの、直線に入って行き場を失ってしまうという致命的な不利もあって五着に敗れてしまう。単勝の倍率が示していたように、能力的には抜けているものがあるというのは衆目の一致するところであっただけに、極めてもったいない敗戦であった。
スイープトウショウは失意に沈む間もなく次なる戦いへと向かった。能力的には図抜けているスイープトウショウを何とかしてクラシック戦線に向かわせたい陣営は、阪神ジュベナイルフィリーズから一か月後の牝馬限定のオープン特別戦である
当然のことながらこのレースで単勝1.3倍の大本命に推されたスイープトウショウは、このレースを苦もなく勝利。賞金を上積みすることに成功し、大目標である春のクラシックレースへ向けて短い休養に入った。
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