『おうちのこと』

『おうちのこと』

 おがわめぐみ


 きょうは、おるすばんです。

 おかあさんがいないけど、いえのひとに、べんきょうを、おしえてもらえたから、おるすばんはすきです。はやく、かんじを、おぼえたいです。


 おかあさんがいなくなったので、きょう、しげさとおじさんが、いえにきました。

 しげさとおじさんは「おかあさんがでていったので、だれかがあれを、やらないといけない」といってました。いえのみんながいってる、あれのことです。     

あれのことは、はなしをするのも、かみにかくのもだめだから、あれとしか、かけません。

 みんながあれとしかいわないから、わたしは、あれのことにくわしくありません。でも、だれかがあいてを、してあげないと、いけないそうです。ほんとうかわからないけど、そうしないと、いけない、そうです。

 だれかが、あれのあいてをすれば、むらはしあわせになるそうです。


 おじさんは「めぐみちゃんは、えもかけるから、きっとあいてができる」といってくれました。

 でも、おかあさんが、いなくなるまえにいいました。あれのあいてをしても、むらがしあわせになるというのは、うそなのだそうです。あれのあいてをしても、むらには、なにもおこりません。ただ、あれのあいてをしないと、むらにわざわいがおこるのはほんとうです。


 わたしは、あれのあいてをするのは、いえのなかでおるすばんをするだけだし、べんきょうもおしえてくれるから、わるくないことだと、おもいました。それに、むらにわざわいがおこるなら、だれかがあれのあいてをするべきだとおもいます。


 おばさんが、にっきのかきかたをおしえてくれて、うれしかったです。はやく、ひらがなとかんじをおぼえて、じぶんでも、いろんなぶんしょうが、かけるようになりたいです。

 はやく、がっこうにいけるようになりたいです。しげさとおじさんが、いえのひとたちと、はなしをしていました。なんのはなしなのかきくと、わたしのことについて、だいじなおはなしだと、いわれました。だから、わたしもいいこにしないといけないのだそうです。


 おばさんとやくそくをしました。

 にっきをかくまえは、かならず、おばさんにいうこと。おばさんのいうことは、かならずまもること。かいたにっきは、かならず、みせること。

 そうしないと、じをおしえてもらえません。にっきをかかないひも、えは、かかないといけません。わたしは、にっきをかきたいから、いいつけをまもろうとおもいました。

 えをかくことはあまりすきではありません。いつもおなじえをかかされるからです。もっといろんなえをかきたいのに、かかされるのは、いつもおなじくろいやまのえです。かならず2まいかきます。かくと、みんながよろこぶそうです。


 わたしは、みんなをみたことがありません。いつか、がっこうにいけるようになったら、もっとたくさのひとと、はなしをしたいです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る