学生時代、友達の恋愛に巻き込まれた話
短大に入ってすぐ。
心細くてたまらなかった私に、友達が出来た。
黒田さんと、まりかちゃんに、小百合ちゃん。そして、「スピアーズ」と呼ばれている子がいた。
「スピアーズ」と呼ばれている子は。
さすが、ダンサーであり歌手の名前があだ名になるだけあって、スタイルもよく顔も恐ろしく美人だった。
そして、話をしてみると、ものすごく心地いい。人を悪く言わない。
そして面白い。
鼻にじゃがりこを入れたりできるお茶目な一面も持っている!。
この人と友達になりたい…!!スピアーズに憧れた私だが。私なんてとてもスピアーズの足元に及ばないのであった。
だけど私にとって、スピアーズの好きじゃない一面があった。
スピアーズはとてもモテるのである。
それはいいんだけど、話を聞くと、週に3人ほど、違う男性と交流を持っているのであった。
私はそこはスピアーズとは共鳴できない部分だと思った。
「セックスフレンド」なんて軽く言うけど、ちゃんと付き合った人でない人と、性交渉をするなんて私の価値観では信じられなかった。
私は、世界で私を一番愛してくれる人と。
または、この人の子どもなら妊娠してもいい。なんて、思えるくらい好きな人がいいと思っていた。
それくらい好きな人と結ばれるなんてどんな気持ちになるんだろう。
初めて誰かのものになる日を。どこかで待ちわびていた。
そんな事思っているなんて。18歳だけどダサいのかな。
※余談だけど、今思うと、15年前くらいの当時は「セックスしているのがかっこいい」みたいな風潮が10代の間であった気がする。今思えばそんなのばかばかしい。
そんなスピアーズは毎日私達といる間でも4回は男の人と電話していた。そんなに毎日電話して電話代かさまないのだろうか・・・そんなどうでもいい疑問が浮かんだが相手の男性はホストらしい。まじか・・・。
しかしホストの人ってどんなだろう?。その人が目の前に居合わせた時。
とりあえず
「口説かないでくださいね?。」
と言ってみた。
「・・・それ、口説いてくださいって言ってるようなもんだぞ・・・。」
そうか。
そのホストは、どういういきさつだったか、私によく電話してくるようになった。
毎日そのホストからの電話によって一週間ほど私の睡眠時間が削られていった。寝たくてたまらなかったし、キモイ・・・と思って居たが。よその彼氏・・・いや違うけど、よその彼氏やし言えない・・・と、男のあしらい方が分からない当時の私は(今だって決して匠に操ってるわけではないが)思ってしまった。
ホストから電話を受ける毎日だったが。
ある日、スピアーズと黒田さんに怒られたのは私である。
「ホストと映画行くんやって?。あんた誰とも付き合う気ないって言ってたやん?。言ってる事矛盾してるね!。」
え・・・?。ホストと映画行くって話したっけ?。私はホストから毎晩かかってくる電話のせいで、寝不足でぼんやりしている頭をフル回転させて記憶を手繰り寄せた。
いや、けっしてホストと映画に行く約束なんてしていない。この映画が見たいとホストが言って、いいんじゃない、そう返した記憶ならある。勝手に話が変換されている。
「え・・・なんかごめん。そんなんじゃないんだけど。」
あまりの権幕に謝ってしまう私。
「誰にもいい顔するのは、ユキの良い所だと思うけど、気をつけよ?。」
黒田さんに言われ、私はまた謝ってしまった。
なんで私が謝っているのか謎だが。だんだんもやもやしたような怒りが募ってきた。
だいたい、ホストに私の電話番号を教えたのはスピアーズであるから、その後の事をスピアーズにどうこう言われる筋合いはないではないか。それになんで関係ない黒田さんまで私が怒られないといけないのか。黒田さんは私よりも、会った事のないスピアーズのセフレの言う事を真に受けるのか。
私はスピアーズと黒田さんに対して不信感が募っていった。
スピアーズこそホストとうっとうしい切りたいといっていたくせに、スピアーズはクリスマスホストとUSJに行くらしかった。
ふぅん、と流しているスピアーズの首にはブルガリのネックレスが付いていた。
ホストと喧嘩した時に、ホストが「言いすぎたからあげるわ」と言って、スピアーズがもらったらしい。
なんだかスピアーズが、ホストとの関係で悩んでいると言って全部ではないけど話まで聞いてあげてたのにバカみたいだった。
結局、スピアーズとホストはラブラブな感じらしい。私はBGMのような感覚てスピアーズとホストの性体験を聞いていた。
べつにホストと2人で映画に行こうなんて本当に思って居なかったし、ホストに「ユキちゃん可愛い」「ユキが好き」なんて言われたけど響きやしない。スピアーズの方が可愛いし、私だって化粧すれば可愛く見えるわ!。大体私の名前を呼び捨てにしていいのは女友達と私が好きな男子だけだやーい!!
だいたいスピアーズとセックスしている男なんか触りたくも無かった。
結局、スピアーズとホストの「いちゃいちゃ」に巻き込まれただけだ。
スピアーズはその後短大を辞め、私はこの一件がもやもやして黒田さんになんとなく冷たくしてしまい、黒田さんはよそのグループに行ってしまった。
ホストさえいなかったら、スピアーズとも、黒田さんとも友達でいられた気もするが、私よりもホストの言う事を真に受けるような二人だから、どのみちはかない友情だったのだ。
以上、学生時代の友達の恋愛に巻き込まれた話である・・・・。
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