この世のどこかで始まりかけてる物語 1




何かに、追われるように。


今日1日、するべき事を頭の中で反芻しながら、意識をゆっくり回復させる、いつもの明け方。


レースのカーテンの向こうが、かすかに明るい。時計を見ると朝の、五時半だ。


わたしは、ため息をついた。


だめだ。


今日も考えてししまう。


暑くなったからだろうか。八月に入ってから、最近は、よく明け方に目が覚める。六時半が過ぎるまでは、最近は、過去に出会った、あの人の事を考える。


はぁ。


もう、会えないんだよね。そう思って居たのに。


その人が、いつか飛行機の距離の地元に帰る!と言っていたから。


だから、諦める事ができたのに。


ずっと、そうだったら、良かったのに。


まさか、まだここに。近くに住んでいるだなんて。


アラームが鳴る。


私はようやく重い体を起こし、朝の仕事に取り掛かるのであった。

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