現実と、過去。
久しぶりに子供連れで来た日曜日のショッピングモールは人が少なく、空気が淡々としていて、私はこれは自分が明け方に見ている夢なのか?と一瞬思ってしまったほどだった。
三歳の娘が手を引っ張る。
「シール買う!。」
それはOK。
「シール遊び店でする!。」
「はぁ・・・?。家でシール遊びしたらいいやん。」
これも、いやいやだが付き合う。エスカレーター横のベンチに座らせてシールをさせて
いると、下の娘がぐずりだした。
「もう帰ろう?。」
「いや!いや!いや!!。いやぁあああああ!!!。」
頭をかかえて、こっちが呻きたくなった。
最近長女は、自分の意志に反すると、すぐに爆発したように泣く。
幼稚園に入ってからさらに感情の起伏が激しくなった。恐らく、自分の感情を抑えるのがまだ下手なのだろう。大人だってそんな時はあるので、彼女の気が治まるまで待つしかない。
ああ・・・・買い物するべきこんな場所で、ガラスが破れんばかりに泣き叫ぶ子どもを泣かせっぱなしにしている私は鬼のような母に写っている事でしょう・・・。
周りに頭を下げながら、機嫌が悪くなってきた二女もあやす。
子どもを産んでから、私は一人遊びが好きだった自分の特性を活かして、子どもの目線に立てる母親を目指そうと思っていた。
でも、こんな時は心が折れそうになる。
ここから逃げたい・・と思うときもある。
「お母さん」になりたかった私は、こんな生活を目指していたんだろうか。
旦那と出会った時は、私に好意を持ってくれているこの人に付いていこうと思っていた。
当時はまだ24歳で若くて。
なんとなく前の彼氏を引きずっていたし、その前に好きだった人も時々頭をちらついていたけど。
だけど、もう戻らないものは戻らないし。
旦那と付き合い始めた時は、すこしそこが後ろめたかったけれど。
でも、私をしっかり捕まえてくれた人がいたのは、とても私を強くした。
漠然としていたけれど、なんとなくこの人結婚するんだろうなと思って居たし、だんだん、そうなりたいと強く思っていた。
結婚したら、子どもが欲しかった。
次は2人目が欲しいと思っていた。
そして今、私は人生で一番なりたいと思っていた「お母さん」になれた。
その中で、今。次はどこに向かっていったらいいのか。
過去に置いてきたもの。それを置いて行ってまで、目指した未来に辿り着いたこの現状。
そう考える時があったり、なかったりで。
だって、選んだのは自分だから。
今は。ただ。毎日ベルトコンベアーの上に乗せられたような一日をこなすだけだけだ。と思うときもある。
仕事したら。
働くママになれば。
二児のママで、働きママになれば。
私が求めている場所にたどり着けるのだろうか・・・。
最近は。
幸せに見える毎日で、何を求めていいかわからない毎日を、幸せに過ごしている。
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