きっと、一生響くうた。
毎日受験勉強と、習い事の往復で、カラオケも、音楽番組も見なかった小学校時代。
私は音楽にとても疎く、級友との話題にはものすごく苦労したのだが、小室哲哉さんはすごいらしい。という事は私でも知っていた。
彼の歌は、絶望的に音感が乏しい私の脳内にも、すんなりとリズムと曲が心地よく入っていった。私の気分はすっかりリズムに乗せられ歩き方までダンシングしてしまいそうだった。
夜、テレビからTRFなどの曲がたまたま流れているのを聞かれてしまったら、今日一日の嫌なことを曲と一緒に空のかなたへ流してしまえそうだった。
高校生になり、友達から、グローブのベストアルバムを借りた時は、一日に何回でも聴いていられた!!
ノーミュージック!!! ノーライフ!!
この言葉を、私は深く理解した。
その中で、すきな曲に出会った。
それが、「SWEET PEIN」
もちろん、曲も好きなんだけれど。フレーズがとても好きなのだ。
「ためらうことがこのごろじゃ 日替わりにめぐってくる。いつのころか好きなだけじゃ物事が前に行かない。」
「あの人の痛みがわかる 離れているときほど」
これは、恋愛の歌だけど、育児でも家族でも友達や過去のことでも、生きていく上でひとつひとつのフレーズが、心に刺さる・・・。
「あの人の痛みが分かる。」そう、離れていけばいくほど。時間が経つほど。
誰かを傷つけた過去は。
青春に近い色を纏って。
ほろ甘い思い出となって、時折、私の胸を苦しくする。
自分の気持ちばかり押し付けて、相手の負担など考えてなかった事。
期待し過ぎた事。
何も出来なかった事。
思いやれなかった事。
今なら分かる。相手に与えていた重み。
今友達や旦那に当たり前にできる事が、どうして、あの時、あの人たちにできなかったんだろう。
離れて行った人たちには、謝りたくても、もう謝る事はできない。
甘く、無知だった自分が切なく。
たぶん、一生胸に響く曲だろう。 これから先も。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます