ぱりっとしたスーツ

ぼくはそらちゃんがだいすき。


ここのところ、そらちゃんは毎日のようにぼくの顔を見に来てくれるようになった。


「あんたまた仕事帰りに来たの?明日も仕事なんでしょ?」


ってお母さんが言っているけれど、そらちゃんは


「だって、この子の顔をちゃんと目に焼き付けとかないと。よしよし、今日も元気だね。」


と言って、ぼくの頭を撫でてくれる。


最近は、お散歩に行けなくなったし、食欲もない。なんか変な白い紙も穿かされている。


そんなボロボロのぼくの顔を、そらちゃんは毎日見にやってくる。


お化粧をして、ぱりっとしたスーツを着たそらちゃん。


「今日も疲れたよー。今日はね、ずっと電話対応してたんだ。」


ぼくの隣に座って、話しかけてくれるそらちゃん。


「疲れた私を癒してー。」


そう言いながら、僕の首に抱き付いてくれる。


「こらこら、そんなことしたらこの子が疲れちゃうでしょ」


お母さんはそう言うけれど、大丈夫だよ。


そらちゃんのハグにはパワーがあるから、ぼくはそらちゃんのことがだいすき。

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