第23話 服従の効果?
「そういえば美里さん? まだ服従はしてないけど、どうしますか?」
「えーと…… あのね? 勇気君。服従って言うと性的な事も求められちゃったりするのかな? 大人な私が高校生の勇気君に、あんな事やこんな事を求められて、ご主人様に奉仕するようになるって事だよね?」
「美里さん…… 頭の中が大分駄目な方向に行っちゃってますね。里香や愛美に確認しても良いですけど、別に俺そんな事求めて無いですから」
「え? そうなの? 愛美ちゃんのバニーとか、里香ちゃんのセーラーとか思いっきりコスチューム系のプレーが好きなんだと思ってたんだけど? 私はどんな格好させられるのか、結構ドキドキしてたのに」
「自衛隊の迷彩服でも十分コスっぽく無いですか?」
「まさかこの制服に欲情したの?」
「だから…… 欲情してないし、求めて無いですって」
「そうなんだ……」
「あの…… 美里さん実はメチャ期待してないですか?」
「里香ちゃん、そんな事は無いですからね」
「今更キリっとされても全く説得力無いですから……」
「あ、勇気君あそこがそうだよ」
20分程の飛行で、周南市のコンビナート地帯に到着して、美里さんの指示に従い駐車場にタンクローリーが並んでいるビルの屋上へと着陸した。
愛美さんも、遅れることなく付いてこれた様で、中々ガネーシャの飛行スキルも優秀みたいだ。
着地した俺は取り敢えずトランスフォームを解いた。
当然の様に脚に巻き付かれていた、美里さんの顔に俺の股間が直撃した。
「ぎゃぁあ、やっぱり私はこのまま傷物にされちゃうんですか? せめて最初は雰囲気のある所で2人っきりが良かったのに」
「まだ言ってるんですか、トランスフォームしたら服のサイズなんか合わないからこれは不可抗力なだけで、別に求めて無いですから」
そう言いながら、俺は収納から服を取り出して身に付けた。
「美里さん、この辺りは結構ウルフ多いですし、さっき見えただけでも、シルバーやレッドは確認できてますから、まじめに行かないと簡単に死んじゃいますよ? 特にシルバーからは魔法も使ってきますから」
「解ったわ。勇気君統率を発動して貰って良いかな? 服従します」
美里さんを仲間に加えて、俺は人間形態のままビルを下りて行った。既にこのビルには人がいないようだ。
「あ、そう言えば美里さん聞いて置きたいのは、この先お金とかって必要って言うか、価値のある物として扱われるんですか?」
「それは、私でも判断できないわ。一応自衛隊内部では、見付けた分のお金は全て回収しているけど、お金で売って貰えるお店が存在していないし、はっきり言って今なら一万円札よりトイレットペーパーの方が価値があると思うよ?」
「ですよね。物を持ってる事が一番って事ですよね」
「そうね、冷蔵庫や冷凍庫も使えない今の段階だと、小麦粉やお米、調味料なんかの、常温保存が出来る物が一番価値が高いわね。勇気君のような収納スキルの持ち主が他にも現れるかが一番気になる所だわ」
「ミコ、マジックバッグみたいな収納導具って、存在するのか?」
「あるのじゃ、宝箱から稀に出るのじゃ」
「宝箱って殆どダンジョンで1個か2個しか出ないだろ?」
「ダンジョン内の敵のドロップで現れる事もあるのじゃ」
「そうかぁ、でもダンジョンは討伐しないとモンスターのスタンピードが止まらないだろ?」
「知識ランクが討伐したダンジョンマスターと同等以上であれば、自分がマスターとなってダンジョンを残す事も出来るのじゃ」
「でもそれだとモンスターが溢れ出るのは変わらないんだろ?」
「マスターがスタンピードをさせない様に指示を出す事は出来るのじゃ」
「成程なぁ、知識レベル6が当面の目標か」
そう言えば俺の知識レベルⅠってどんな事が出来る?」
「それは、自分でアカシックレコードにアクセスうしてみれば分かるのじゃ。意外にいろいろできると思うのじゃ」
「解った。後でやって見るよ」
ミコに聞いた情報を俺なりに理解してみると、俺がマスターとなってダンジョンを残せば、資源を生み出す場所として活用する事も出来るっていう事だな。
特に食糧難に直結する可能性が高い事を考えれば、ダンジョンドロップによる食料は重要な役割だろう。
飲み水に関しては、自衛隊の基地内では既に井戸を何か所も掘っているので、当面は問題なさそうだけど、食料問題は重要だからな。
後は人類がみんなトランスフォームなりフュージョンなりで進化してモンスターと戦う力を手に入れなければならないって事だな。
「ん? ミコはさ、今知識Ⅴだよな? 後1上げたらダンジョンマスターに成れるのか?」
「なれると言えば成れるのじゃ」
「従魔のままでも?」
「そうなのじゃ」
「それってさ、外に出たりは出来るの?」
「出来るのじゃ、ただし最終階層に到達者が現れると、強制的に呼び戻されて、戦闘になるのじゃ」
「ふむ、でもその時は俺達が手伝えばいいだけだしな」
「次のダンジョンで、知識持ちの敵をミコが倒したら行けそうか?」
「恐らくは大丈夫なのじゃ」
「じゃぁそれでもいいかもな」
そんな事を話しながら、美里さんがタンクローリーに必要な燃料を給油して行き、俺がタンクローリーごと収納に収めて行った、里香と愛美とミコは3人でその間ウルフを撃退してくれていた。
石油燃料の補給が終ると、今度は美里さんが、物流センターの場所を指示してくれて、そこにウルフを倒しながら向かった。
その間生きた人には出会えなかったのでこの辺りは状況がかなり厳しい様だ。
物流センターでは、大量の飲料水や米などの日持ちをする物を中心に集めた。
「美里さん、シルバーウルフを見つけたから、俺が弱らせるから止めを刺してください。首筋に爪を突き立てれば何とかなる筈です」
「解ったわ」
俺はフェンリルにトランスフォームすると、殺さないように4本の脚を斬り飛ばして、美里さんを呼んだ。
美里さんが、首筋に爪を突き立てると、シルバーウルフが最後に力を振り絞って、ウインドエッジを放って来るそぶりを見せた。
俺は「危ない!」と叫んで、美里さんを突き飛ばしたが、風の刃は美里さんを大きく切り裂いた。
大量の血が流れ、自衛隊の迷彩服も大きく切り裂かれている。かなり傷が深い。
「美里さん、大丈夫ですか?」と言いながら現状手に入っている中で最高品質のポーションⅤを取り出して掛けようとした瞬間だった。
力尽きた、シルバーウルフが光になって、美里さんに吸い込まれると、美里さんの体毛もシルバーに変色して行きそれと共に、傷口も塞いで行った。
「丁度進化と重なったせいで助かりましたね。あの傷口だとポーション掛けても駄目だったかも知れなかったですよ」
「ゴメンなさい。魔法が有るのを聞いておきながら油断してしまったわ」
「あの、美里さん……」
「ん? どうしたの?」
「色々見えちゃいけないとこが、見えてるので着替えだしますね」
「あ、きゃぁ、馬鹿変態、やっぱり私は此処で散らされるのね……」
「散らされるって…… 美里さんその歳でまだ大事に持ってるんですか?」
「失礼ね。そんなわけないじゃない」
「絶対嘘だね」
「だよね、私もそう思う」
「愛美ちゃん。里香ちゃん。私は経験豊富な大人な女だからね」
「良いから早く服着て下さい。見えちゃいけない所の毛とか風になびいてますからね!」
「きゃぁ見ないで」
「やっぱり、未経験だよね」
「間違いないと思う」
「だから違うって!!」
「服の希望はありますか?」
「え? コスプレ衣装? 制服繋がりなら警官服とかかな?」
「別にコスプレ限定じゃ無いですし、警官服なんて、量販店で手に入れたミニスカポリスの衣装くらいしか無いですよ?」
「え、ミニスカポリスの服あるの? ちょっと着たいかも」
「まじで?」
「警察署とか行ったら普通に本物在りそうだけど、警察は流石にまだ人がちゃんと避難場所にしてそうだよね」
「てかさ、勇気が収納したら修復出来るんじゃないの?」
「あ、そうだな。美里さん一回全部脱いで下さい」
「こんな外で私にストリップを求めるのね。中々鬼畜だね……でも服従してるから逆らえないわ」
「おい。里香そんな強制力ってあったか? 服従に」
「どうだろ? 逆らった事無いから解らないけど、そう言えば頼まれたりすると、やらないといけない気になるよね」
「やっぱり? 私もそう思ってたよ里香ちゃん」
「愛美もそう感じてたのか?」
「うん」
統率スキルって結構ヤバいかもしれないな。
早めに手に入るし、悪用しようとした奴が、ハーレム作ったりする危険があるから、気を付けなきゃ。
「ちょっと俺が行くとややこしくなるから、里香が服を貰ってきてくれ」
「解ったよ」
オールヌードで恥ずかしそうにもじもじしてる美里さんから破れた服を預かって、一度収納して取り出すと、綺麗な新品状態に戻った迷彩服と下着が出て来た。
「あれ、美里さんパンティTバックだと尻尾の付け根のとこ邪魔じゃ無いですか? 里香と同じOバックのパンティ出しときますね」
「勇気君女性用下着も集めてるの?」
「いや、まぁ、それは、そうですね集めてます」
「言い切ったね」
取り敢えず、元の迷彩服に戻って貰った後は、物流センターの資材も手に入れて、転移で防府基地へと戻った。
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