「梅雨が明けたのじゃ！」

　一気に夏らしくなったのう。

　しかし、うかうかしておれんのじゃ。

　弟子の募集締め切りまであと三十日しかないのじゃ。

　わらわが五千編達成する前にはと考えていたが、ちと厳しいかのう。

　ノートパソコンを閉じて外を見ると大きな入道雲がもくもくとしておる。

　天界でも空はあるのじゃ。真っ青な空と入道雲は夏を感じるのう。

　日影なら然程気にならない暑さじゃ。

――チリーン……チリーン

「のじゃ？」

　軒下を見ると風鈴が吊るしてあったのじゃ。

　風流じゃのう。

　焦っても仕様がないのじゃ。時の理から外れておると言うのに、日にちを決めると追われるように感じてしまうのじゃ。

　この音の様にどこまでも響くような心地でいたいのじゃ。

　にしても、何で舌（ぜつ）の短冊に昨日のわらわの写真を貼っておくのじゃ……。

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