第9回は7人も集まっていただけて嬉しかった。そして調子に乗りすぎました。今度こそ怒られそう。

 俺の名前は祟。探偵だ。

 崇と間違えられるが、祟だ。区別がつかない奴はスクショして拡大するか、コピペってGoo〇le先生にでも聞いてみてくれや。

 俺は、この『覚夜夢カクヨム館』の主に身元の警護を依頼された。だが依頼主は、一人部屋に閉じこもった後、頭を殴打して死んでいた……。

 部屋は全てのドア・窓に鍵が掛かっている。しかし、殴打の原因となるようなものは遺体の付近には見つからない。つまり密室殺人だ。

 容疑者はこの『覚夜夢館』にいた老若男女ろうにゃんにゃんにょたち。

 このままだと前払いの依頼料を返金しなくちゃなんねぇ。ーークソ! 全部パチンコとゲーセンと課金に使い切って一銭もねぇぞ!!

 何としてでも犯人を見つけ、脅して金を巻き上げるしかねぇ!!







ー 一人目 無月弟 ー

「わ、私は、自室で映画を見てました。アリバイを証明出来る人はいませんけど……」

 この男は双子の弟だそうだ。隣には顔のよく似た兄もいる。

 双子って時点で怪しい。ミステリだとかなりの確率で犯人だからな。

「ちなみにその映画、なんてタイトルだ」

「(※1)『思い思われ、ふってふられたよ』、ですが……」

「なんだ、失恋映画かよ」

 大体話の内容が読めて退屈なんだよなぁと思いつつ、一応内容を聞いてみる。

 すると弟はまあ失恋ですが、と付け加えて、




「基本的には麻雀映画です」

「『ふって』って放銃のことかよ」



 ロンされてるじゃん。


「勝負に負けた主人公はルールに則って恋人にフラれ、恋人は勝者とくっつきます。振られた主人公は、(※2)『どんなに人気があっても、当て馬はしょせんフラれる運命なんだよ!』と叫ぶんです」

「主人公なのに当て馬なのかよ……」






ー 二人目 無月兄 ー

「ええと、私ですか? 権田を呼びに行っていました」

「権田? 初めて聞く名前だが、そいつ今どこにいるんだ?」

 大方執事かと思いきや、兄は眉をひそめてこう言う。

「中々部屋から出てきてくれないんですよ」


 ……これは、

 自宅警備員(比喩)か?


「中々賢いやつでして。鍵を掛けて閉じこもってしまいまして」

「いやそれは褒めるハードル低すぎだろ!!!?」


 鍵ぐらい誰だって掛けられるわ!


「ああでも、そろそろエサの時間ですから、自分から開けてこっちに来ると思います」

「と思ったら突然雑な扱い!!?」


 こいつ、人畜無害に見えて実は腹黒か!? と思ったとき、


 ガチャ。


「あ、出てきた」


 のっしのっしと、権田(コーギー犬)がやって来た。

 大きな腹を引きずって、兄の足元によってくる。


「おーしおし権田、今日も時間ピッタリだなぁ」


 兄が笑顔で権田を撫で回した。

 どうやら自宅警備員(番犬の方)だったようだ。


「鍵が掛けられる……は!」


 そこに、容疑者の一人・雨立秋アメリッシュが声を上げた。


「ひょっとして犯人は、この鍵を掛けられる方のコーギー犬を利用してーー」

「いや、それはない」


 あの部屋は見通しがよかった。

 少なくとも、あの大きな腹を隠せるような場所などない。



 しかし……なんてウエストだ。

 (※3)このゴンぶと感がたまらない。








ーー 三人目&四人目 雨立秋&かしこまり子ーー

「というか一々聞くの面倒くさくなったから、用意したアンケートに記入してくれ」

「そんな街頭の化粧品アンケートみたいな」


 そう突っ込まれたが、俺は無視して手渡す。

 ……何故か雨立秋は手を止めた。



(※4)「ねぇ、あなた、10の質問+αってエグいわよ」

「そうかぁ?」

「しかも何、この『(※5)佐賀のどちらにお住まいですか?』って。私が住んでるとこ『ユナイテッドキングダムオブグレートブリテンアンドノーザンアイルランド』なんだけど」


 すると四人目のかしこまり子も、


「わ、私は佐賀出身ですけど、現住居は『エル・プエブロ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・ラ・レイナ・デ・ロス・アンヘレス』で……」


「あんたら素直に『イギリス』と『ロサンゼルス』って言えんのか」



   ▪


 一通り事情聴取をすませ、俺は悩みに悩んだ。悩みすぎて頭痛がしてきたが、別に念力は使えなかった。


「そもそも、どうして犯人は密室殺人なんて作ってしまったんでしょう?」

「傍に置いておけば、事故死に見せかけることも出来たはずなのに……」


 無月兄弟の疑問は、俺も思っていた。


「密室殺人を作ることで、得する人間がいたのかしら?」

「でもそんな人いますか……?」


 雨立秋と賢まり子が顔を見合せながら言った時。


「電話?」


 俺はポケットに入れていたスマホを取り出す。


「はいもしもし金寄越せ」

「なんですのその開口一番」

『……相変わらずだな、お前は』

「そ、その声は!?」




 誰だっけ!?


 そう尋ねる前に、『時間が無いから手短に言うぞ』と電話の声は言った。




『(※6)俺から一つ忠告しておく。まず一つ目はだな、……』


 その言葉を聞いて、俺はこの事件の真相が全てわかった。

 犯人は……。



「お前だ! 賢まり子!」


 俺は賢まり子に叫ぶ。


「いいや、お前は賢まり子の偽物だ。そうだろう? 先程の電話の主が言っていた、あんたは佐賀県有田町の出身だと。だがアンタは『佐賀出身』と言った!」

「いや間違いじゃないでしょ!? 佐賀県なんだから!」


 そう雨立秋は言うが、全然違う。


「いいか、有田町はな……………。




 『有田出身』って名乗るんだよ!!! 絶対、『佐賀出身』とは言わねぇ!!!」


「「「な、ナンダッテーーーーー!!!!?」」」ワン!

 声を揃えて叫ぶ三人+α(犬)。



「じゃ、じゃあ、このまり子さんは一体誰なんですか!?」

「ふ、ヒントはいくつもあった」


 ロン。

 佐賀。

 そして、密室殺人の動機。


「ああ、密室殺人を作って得する奴なんかたった一人しかいねえ。

 それは、これを書いた作者ーー『密室殺人ってミステリの王道だけどピタゴ〇スイッチ的なトリック考えるのめんどくせー』ってずっと考える、肥前ロンズ!

 あんたしかいねーんだ!!!」


 そう俺が言い放った時ーー



 賢まり子、いや、肥前ロンズは高笑いをしながら変装を解いた。


    ▪


「(※7)って感じの、物語の黒幕がその存在を匂わすような事をしてましたよ?」

「投げやりじゃんワラタ」


 上手く噛み合いませんでした。ちゃんちゃん!






※1……無月弟さま『思い思われ、ふってふられたよ』

※2……無月兄さま「どんなに人気があっても、当て馬はしょせんフラれる運命なんだよ!」

※3……ゆうすけ様「このゴン太感がたまらない」

※4……アメリッシュさま「ねぇ、あなた、10の質問+αってエグいわよ」

※5……かしこまりこ様「佐賀のどちらにお住まいですか?」

※6……関川 二尋さま「俺から一つ忠告しておく。まず一つ目はだな、」

※7……祟さま「って感じの、物語の黒幕がその存在を匂わすような事をしてましたよ?」





近況ノートはこちら!

【今回7人で行くよ!】第9回!フォロワーさまが残す一文を使って物語を書きたい

https://kakuyomu.jp/users/misora2222/news/1177354054922142939


祟さま、無月弟さま、無月兄さま、アメリッシュさま、かしこまりこ様、勝手に名前を使って申し訳ございません。

ゆうすけ様、関川 二尋さま、逆に名前を出さずに申し訳ございません。

はっちゃけすぎて今度こそ怒られるかもしれない。


※読者様への注意

これはフォロワーさまのお名前を勝手に借りただけで、フォロワーさまの性格を表すものではございません!!!!!

特に祟さま! 違うからね!!! 素敵に寛大に優しい方ですからね!!!!!


ちなみに祟さまの作品はこちらになります!↓

祟さま「異世界往復ゲーム――風域の謀略――」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054898176198

「仕事中にソシャゲとブラゲと携帯ゲーと……ああ、あとついでに遠隔操作で自宅のパソコンぶん回してネトゲとかしてただけ(原文ママ)」な自称真面目な会社員アヤト。

クビになった日にムシャクシャしてゲーセンに行ったらそこは異世界でしたー! 世界救えと言われたけどなんのこっちゃ〜い! んなことよりもっと面白いことしたーい! な物語。多分。

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