第6回は一昔はやりの夢小説風にしてみました。

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(※1 )「いやぁ、夏の暖かな日差しをその身に受けて柔らかな土の養分と綺麗な水を与えられながらスクスクと育った形の良い見事なスイカが一面にまき散らされているなぁ」


 僕の名前は【#1名前を入れてください】。どこにでもいる普通の高校生。強いて言うならガタリンピックに力を入れていることかな!


(※2)「こんな時こそガタリンピックで優勝するんじゃあ、え、中止?」新型ウイルスの流行でガタリンピックも中止になっちゃったけど、今は涼しいクーラーが効いた部屋でスイカを育てるスマホゲームにハマっているよ!

 ところが、そんな僕の平和な日常は、ある人物が現れてしまったことで終わってしまったんだ…………!


 それはお盆休みで家にいた父さんと母さん、三人でご飯を食べていた時のこと。

 ぴんぽーん、とインターホンが鳴ったので、母さんが玄関に向かって席を立った。


 そして、再びリビングに戻った時、母さんはニコニコしながらこう言った。


(※3)「お父さん、お父さん、魔王がいらっしゃいましたよ」


 僕はうっかり食べていた焼きそばが鼻に詰まったね。

 けれど父さんは平然として、「あいつ来たのか」と呟いた。

 その時!


「ふHAHAHA! 勇者よ、久しぶりだな!」


 母さんの後ろから、2mぐらいのアロハシャツを来た大男が現れる! しかもなんかウクレレ付きだ! こんな魔王みたことない!!


「久しぶりだな魔王。こっちは息子の【#1名前を入れてください】だ。


 息子よ、この目の前にいる男は魔王【ジョウチュー・スイーツポテト】だ」

「名前なんかすっごくかわいいね!?」


 とても魔王の名前とは思えない。


「というか魔王!? 勇者!? 嘘でしょ!?」

「信じられないだろうが、本当なんだ」


 そう言って、父さんは説明し始めた。


 昔、争っていたサーガ=カシマ国と、カゴシーマ=イブ・スーキ国。戦争のきっかけは、「鹿島と鹿児島似ててわからん」という声だったそうだ。

 父さんはサーガ=カシマ国の勇者で、魔王はカゴシーマ=イブ・スーキ国の魔王だった。

 そんで何やかんやで姫である母さんが連れ去られて、なんやかんやで勇者の父さんと魔王が戦い、なんやかんやで和睦して今に至るとの事。

 なんやかんやが知りたいけど聞いたところで多分理解できない。

 それで度々交流はあったものの、僕が生まれる頃からはお互い忙しくて会えなかったという。

 だから二十年ちかくの再会なんだそうだ。


「色々あったなぁ……母さんに、(※4)『あなた、私を救ってくれるって言ったじゃない』(※5)『佐賀県と花とゆめ、どっちが大事なの!?』って言われたりなぁ。私としては花とゆめが大事だったのではなくカーラ教授が好きだっただけなんだが」

「どんな状況なのそれ」

「やだもう、昔の事じゃないですか!」

 バアン! と父さんの背中を叩く母さん。なんか今『ゴキっ』って音がしたけど。

 父さんは口から血を出しながら話す。

「し、しかしそのアロハシャツ懐かしいな。イブ・スーキがアロハの街だったのは三十年以上前の話だろ?」

「いやいや、今でも公務員は皆こうだぞー。まあ、そらまめの里だったりするけど……」

「もうよくわからないけど……それで、魔王さん(?)は、どうしてここに来たんですか?」


 SFの難しい話とか、わからない部分は読み飛ばすタイプの僕が尋ねると、魔王はいやなに、と言った。


「実はな、吾輩が乗るはずだった精霊馬が、何者かに食べられてしまってな」

「は、はぁ……」


 え、精霊馬って死んだ人が乗るヤツだよね?

 まさか魔王、実は死んで……?


「そこで姫に犯人を突き止めて欲しいんだが」

「おいおい、もう姫って年齢じゃないぜごっぶぅ!」

「あ、な、た♡」


 またもや父さんが母さんにどつかれて血を吐き出した。


「た、確かに母さんは占星魔術に特化した研究者で、なんかこう上手いこと占って調べることができるけど……」


 さっきからすごくふにゃっとした説明しかしてないよこの親父。「先行きは不透明で……」って記者会見する政治家レベルで胡散臭いよ。

 ダメージが酷かったのか、バタンと手折れる父さん。勇者よ、死んでしまうとは情けない。……いやホントに情けないよ父さん。

 代わりに母さんが、自分の占星魔術について説明する。


「でもそれは、一つぐらい手がかりがないと占うことも出来ませんよ?」

「手がかりはある」


 そう言って、魔王がアロハシャツの襟から取り出したのは、一枚の紙。

 そこには、(※6)『お前が乗るはずだった精霊馬は俺が食った』と書かれてあった。


「まあ、犯行予告」


 いや予告じゃなくて事後報告じゃない?


「おぬしなら、この紙から占うことが出来るのではないかね」

「そうですわね……」


 やってみましょう、と言う母さんに、俺はごくりと唾を飲み込んで見守る。

 僕が今まで見た事のない母さんの姿が、そこにはあった!






「玉ねぎ2個人参一本じゃがいも5個……あ、ごめんなさい。これカレーの作り方だわ」


「母さん!?」


「ごめんごめん、魔術使うの久しぶりだったものだから。呪文はこっち」


 そう言って、今度こそ母さんは呪文を唱えた!





今日きゅーおかずしゃーきゃーしゅー!」


「ホントにそれでいいの!?」


 僕の心配を他所に、もくもくと煙が現れる。そして……。



「わかりましたわ犯人は!」

「わかったのかね!」

「ええ、犯人はあの方です!」


「なるほどあやつか!」

「中身がまるでない解答編!!!!!!」


 しかし本人たちはそれで満足していた!

 いいのかなそれで!?


「そうか……しかし困ったな、吾輩ちょっとあの世に用事があるんだが」

「あら、でしたら干潟用そりはいかが? 【#1名前を入れてください】、あなたのマイ・ソリを貸しておやりなさい」

「…………え?」



 こうして、魔王はガタリンピックのソリにのり、あの世へと向かっていった。


 その姿を見て思ったんだ。


 サンタとサタンって、字面似てるよねって。




 オチは、ない!!!!!!!



※1……祟さま「いやぁ、夏の暖かな日差しをその身に受けて柔らかな土の養分と綺麗な水を与えられながらスクスクと育った形の良い見事なスイカが一面にまき散らされているなぁ」

※2……郭隗の馬の骨さま「こんな時こそガタリンピックで優勝するんじゃあ、え、中止?」

※3……関川 二尋さま「お父さん、お父さん、魔王がいらっしゃいましたよ」

※4……アメリッシュさま『あなた、私を救ってくれるって言ったじゃない』

※5……無月弟さま『佐賀県と花とゆめ、どっちが大事なの!?』

※6……無月兄さま『お前が乗るはずだった精霊馬は俺が食った』


近況ノートはこちら!

【30分にして終了!? 感謝申し上げます!】第6回!フォロワーさまが残す一文を使って物語を書きたい【よかったらアンケートよろしく!】

https://kakuyomu.jp/users/misora2222/news/1177354054919054379#commentSection


今回もご参加ありがとうございました!

ちょっと腹痛で頭が回りませんでしたが、多分いつも通りです!!!!!!

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