第4話
「お、焏。久しぶりだな」桂が部室へ入って来た
焏へと明るく声をかける。実は彼は一週間程
部活を休んでいたため、他の生徒は彼への
不信感を消せていない。「どうしたんだよ、
何かあったか?」“関係ない”その一言で解決
させてしまう焏が凄いと清流は内心思った。
「実はな、焏。もうすぐある祭りに俺達は
出ることとなった。それでダンスを踊って欲しい。
踊れるか?」少しの間、考え、焏は頷いた。
「よし、じゃあ、これサビだけで良いから
ちゃんと覚えて踊れるようにして欲しい」
それから一年は必死にダンス、歌を覚えることと
なった。「はぁ、書く文字とかもあってしかも
ダンスもだろ?やることありすぎるわ」バテた
桂が床に寝転がった。「これが三年間も、パフォー
マンスするたびにあるのかよ。」隣に体育座り
していた焏は筆に少量の墨をつけ、半紙に何かを
書いた。「ん?何書いてるんだ」書き終わった
ようで覗いてみると、
浮き立つしののめの夏 雛倉弥生 @Yuzuha331
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