中学校入学前日

りづ

中学校の思い出

 明日は中学校の入学式。

 

 今日、クラス分けの発表がある。


 『友達とは同じクラスになれるかな?』

 

 期待と不安で、ワタシは自転車を走らせた。


 中学校に着いて、玄関に張り出されている表を端から見て、自分の名前を探して行く。


 『A組は……無い。

  B組……あっ、ケイはB組か、違うクラスになっちゃった。

  C組は……ミユだ、ワタシは無いね。

  D組……無しと次、次!

  E組…………あった!E組だ。ホノカと同じクラス!後は…………あっ!この名前……だよね。』


 ワタシは同じクラスに幼稚園で一緒だった初恋の人の名前を見つける。


 


 中学校の門をくぐり、自転車を漕ぐ足は何故か軽かった。



 ウキウキした気分で走っていると、前から懐かしい雰囲気の男子が歩いてこちらに向かって来る。


 『……君?』


 段々二人の距離が近付き、一瞬目が合い、すれ違い様にワタシは思わず叫んだ。



 『同じクラスだよ!』



 前から歩いて来ていた男子は、驚いた顔をして、すれ違ったワタシを振り返る。



 そして、また目が合い、恥ずかしさと、嬉しさで、自転車を漕ぐスピードはワタシの体温と一緒に更に上がった。


 


 家に着いたワタシは部屋へと走ってベッドにダイブして枕に顔をうずめた。



 『明日から楽しくなりそう!』

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中学校入学前日 りづ @RIZUkzm

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