あんたいとる！-untitled!- 4

Act:69『今日は嬉しい日なの』

唯「ついにこの時がやってきた！」

悠「わーーーー！！」

蛍「やけに賑やかだな」

唯「当然だよ、待望さ」

悠「この場に立ち会えて幸せです！」

蛍「よくわかってないんだが、何が待望なんだ？」

唯「それはもちろん」

悠「も・ち・ろ・ん」

唯・悠「シックスナ――」

蛍「わかった。もう言うな」

桜「♪」

蛍「機嫌が良いな」

桜「うんっ！　今日は嬉しい日なの」

蛍「えっ……」

桜「な、なんでそんな反応なの？」

蛍「ちなみになんで嬉しい日なんだ？」

桜「そ、それは内緒！」

　（体重が減ってたなんて恥ずかしくて言えないよ……）

蛍（まさか桜もあいつらと一緒なのか……！？）

帝「すまない宮澤くん、手伝わせてしまって」

蛍「いえいえ、重そうでしたし。お手伝いできて良かったです。

　　これはどこに置けばいいですか？」

帝「そうだなぁ……そのあたりに置いてくれれば」

蛍「わかりました。よっと」ドサッ

皇「ふぎゃ！」

蛍「うお！？」

皇「何をする……私の身体の上に荷物を置くなどという愚行……姫だろ……」

蛍「あ、えっと……」

皇「お前はいつもこういうことをする、わかってるんだぞ……」

蛍「ご、ごめんなさい……」

皇「……むっ！　弟ではないか♡」

蛍「あ、え……おお、おはようお姉ちゃん！」

皇「怖いところを見せてしまったな、次は優しく起こすんだぞ？」

蛍「う、うん！」

　（小さすぎて気づかなかった……）

蛍「まさかいらっしゃるとは思わなかった……」

帝「私も気づかなかったよ」

蛍「お姉ちゃ……皇先輩、本当に小さくて可愛らしい方ですよね」

帝「そうだね。私は身長も高いし可愛げがないから、真逆の存在だ」

蛍「いやいや、帝先輩も素敵ですよ」

帝「……」

蛍「あ、いやすみません！　素直に言い過ぎました！」

帝「素直に……」

蛍「は、はい……」

帝「あはは、こういう時どういう反応が正しいのかわからないな」

蛍（帝先輩、顔真っ赤だ……）

蛍「ふう」

姫「蛍くーん見てたよ～」

蛍「あ、姫先輩」

姫「帝ちゃん口説くなんてね？」

蛍「えっ！？　口説いてないですよ！」

姫「じゃあ蛍くん天然ジゴロなの？　天ジなの？　一番タチ悪いじゃん～」

蛍（天ジ……？）

　「いや、普通に思ったこと言っただけですよ」

姫「ふーん？」

蛍（姫先輩やけに当たりが強い……）

姫「帝ちゃんはあんまり褒められ慣れてないからね」

蛍「そうなんですか？」

姫「うん。完璧過ぎるあまりにもはや褒めることすらおこがましいって感じ」

蛍「そう言われると確かにそんな雰囲気ありますね」

姫「でしょ？　それなのに男の子に褒められたらそりゃああいう反応になるよ」

蛍「そうなんですかね……」

姫「あんなに可愛くて頭も良くて優しくてスタイルも良くて、

　　おまけに女子校出身だからたまんない！」

蛍（女子校出身は関係あるのか……？）

姫「だからさ、あんまり男の子とお話するの慣れてないんだよ」

蛍「そうだったんですね」

姫「だからあんまりグイグイしないでね～私の帝ちゃんだから」

蛍「そんなつもりはないですよ！」

姫「ふーん、それならいいけどねっ？」

蛍「は、はい……」

　（姫先輩は帝先輩のことが大切なんだろうな……）

蛍「――てなことがあった」

唯「女子校出身……」

悠「な、なんてことでしょう……」

蛍「なんだその反応」

唯「あのスペックで女子校出身って本当に非の打ち所がないよ」

悠「もはや想像上の人物レベルのレアリティですよ！」

蛍「そ、そうなのか……」

　（白熱してやがる。俺にはわからん世界だ……）

唯「ボクは想像して下半身がムクムクしてるよ」

蛍「ねぇだろ」

悠「私もです！」

蛍「だからねぇだろーが！」