Act:67『とっても面白いことさ』
蛍「んー……」
唯「どうしたんだい?」
蛍「なんか目がイテェ」
唯「どっちの目だい?」
蛍「右目……うおっ」
唯「?」
蛍「ち、ちけぇよ」
唯「でも、自分では確認できないだろう? 何か入っているかもしれない」
蛍「大丈夫だ、なんとかなる」
唯「目が真っ赤だよ」
蛍「目擦れば治……いてっ」
唯「ほら、やっぱり。あと目を擦るのは良くないよ」
蛍「……」
唯「見せて」
蛍「わーったよ」
唯「……上を向いて」
蛍「ん……いてて」
唯「……特に異常はないね」
蛍「……」
唯「次は下……」
蛍「ん……いてっ」
唯「あっ、まつ毛が入ってるね」
蛍「そのせいか」
唯「そうだね」
蛍「ん」
唯「目を擦っちゃダメ」
蛍「う……」
唯「炎症を起こしてしまうかもしれないから……はい」ぽんぽん
蛍「な、なんだ?」
唯「目薬をさすから、膝に頭を」
蛍「ま、待て、お前がさすのか!?」
唯「うん」
蛍「いや、いやいやいや……」
唯「?」
蛍「それはまずいだろ」
唯「どうしてだい?」
蛍「いや、えっと……」
唯「?」
蛍(なんでこういう時だけ本当にどうして?って顔してんだよ!!!)
唯「ほら、早く」
蛍「……い、一度断ったからな」
唯「うん」
蛍「……」
唯「……じっとして」
蛍「あ、ああ」
ぽたっ
唯「……どう?」
蛍「……すげえ滲みる」
唯「そうだろうね。痛みは?」
蛍「……あー、治ったかも」
唯「それなら良かった」
蛍「……」
唯「……」
蛍「えーっと」
唯「なんだい?」
蛍「いつまでこの状態なんだ?」
唯「あっ」
蛍「……」
唯「ふふ、ずっとこうしてようか?」
蛍(一気にいつもの表情に戻りやがった!)
蛍「顔をどけろ、ぶつかるぞ」
唯「ボクは一向に構わないよ」
蛍「お前なぁ……」
京「ほったるくーん!」
蛍「!」バッ
唯 すかっ
蛍(京の声が聞こえて勢いよく顔上げちまったけど、しっかり避けやがった……)
唯「やあ京さん」
京「二人で何してたん?」
唯「とっても面白いことさ」
蛍「おい!」
京「えー!ウチもやりたい!」
蛍「やらんでいい!」
唯「ふふっ」
蛍(ったく、これだからコイツは!)
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