Act:65『なげえよ!!!』

京「この前な、学校の帰りにちょっとお腹空いててん。せやけど、ウチお金持ってへんかってん。なんでかゆーと財布忘れててな。でもなんか食べたい~思てんけどやっぱりお金無いとなんも食べられへんやん? やから一回家帰ってコンビニでも行こかなと思ってん。で、家帰ったらめちゃええ匂いするからなんやろ思て、母ちゃんが今日はご馳走やで!ってウチに言うからワクワクしててん。でも帰ってきてすぐ夕飯って時間でもないし匂い嗅いでたら余計にお腹鳴るし、これやとアカンくなる思て服着替えてササっと外出てん。近くのコンビニ行ったんやけど美味しそうなのたくさんあってホンマに迷うやん? お腹空いてるから食べられたらなんでもええ! って気持ちやってんけど、品揃えが良すぎて迷うねんな~。お菓子もええけど菓子パンもええよな~って。眺めてて、ちょうどええの見つけて手に取って気づいてん、ウチ財布また忘れててん。帰ってきて制服のポッケに入れたんやけど着替えたん忘れてたんやな。ウウ~ってちょっと困ってんけどしゃあないから家帰ってん。どしたん?って母ちゃん聞いてきてんやけどさみしぃて帰って来たわ!ってゆーたら財布でも忘れたんやろ~ってバレてて二人してわろてな。んで、もっかい財布持って家出てん。もー何が何でもここまで来たらなんか食べへんと気が済まへん!ってなってて、コンビニにまたついてん。そしたら、な! 悠ちゃんに会おてん! 珍しーこともあるなぁって二人でちょっと喋ってんけどよう考えたら悠ちゃん家こっちの方やないのになんでいるん? みたいなことになってな。なんかそのコンビニの豚まんが絶品なんやて。せやから買いに来たとかなんとかで。しかも恋愛が上手くいくかもみたいな噂もあるんやて。悠ちゃんって誰か好きな人おるんかな? まあでもそんなんでじゃあウチもそれ食べよってなって二人で買おうと思ってん。でな、ちょっと先輩っぽいことしたいな思てウチが出すでって言ったんやけど財布の中に小銭がちょろっとしか無いし、豚まんはおろかお菓子もろくに買えへんぐらいしかなかってん。ウチの家お小遣い制やし、この前ほたるくんと行ったラーメンでナイナイになってたん忘れててん。で悠ちゃんが出しますよってゆーてくれて。それはアカンと思ってんけどもうウチ豚まん食べたくてしゃあなくなってるし喉から手ェ出そうなくらいお腹空いてるしでお言葉に甘えてん。情けないわぁとか言ってて外出て一緒に豚まん食べたんやけどもうこれがうんま~やってん。ウチな、関西に住んでた頃よー食べた豚まん思い出すくらい美味しかってんな。悠ちゃんも美味しそうに肉まん美味し~ゆーたんやけど、こっちでは肉まんゆーんやな。ずっと豚まんってゆーてたからそうなんや~思ったりしてんやけど、あの時悠ちゃんに出してもらわへんかったら食べられてへんかったし、食べて良かったわぁ。でな、家帰ったらもうご飯の時間やってん。でも豚まんもついさっき食べたせいで全然食べられへんかってんな~、鍋やったのにもったいないわぁ。でや! 今日お小遣いもらったから悠ちゃんにお金返さな思ってんねんけど悠ちゃん来るかな?」


男「なげえよ!!!」

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