Act:63『おやおや顔が真っ赤』

京「放課後ってワクワクするな!」

蛍「そうか?」

京「うん! ウチは学校の帰り道いつもウキウキや!」

蛍「いつも京はそんな感じだけどな」

京「ワクワクウキウキ……」

蛍「ん?」

京「ワキワキウクウク!」

蛍「なんじゃそりゃ」


京「うっし! 今日はどこ行こか!」

蛍「そんな毎日どっか行ってるわけじゃないだろ」

京「ウチは常におもしろを探してんねんで」

蛍「じゃあ、なんか面白いことあったか?」

京「うーん、せやなぁ。でもウチはほたるくんと一緒におるだけで面白いけどな!」

蛍「……」

唯「おやおや顔が真っ赤」

蛍「うるせえ」


京「ウチが越してくる前って二人で帰ってたん?」

蛍「そうだな。桜は部活があるし」

京「へー! どんな話してたん?」

蛍「どんな話……」

唯「うーん……」

京「……」

蛍「すまん京、そんなに目をキラキラさせても面白い話は出てこないぞ」

唯「ほとんど他愛のない話しかしてないね」


京「そうなんや! でもそれってええことやない?」

蛍「なんでだ?」

京「ほたるくんと唯ちゃんって中学からずっと一緒なんやろ。

  それで今もずっと仲良しなんやったら、一緒にいて面白いからやん」

蛍「……まあ、そうなるのか?」

唯「ボクは君と一緒にいて面白いよ」

蛍「……」

唯「もちろん、京さんと一緒にいるのもね」

京「嬉しいわ~!」


京「また明日~!」

蛍「おーう」

唯「ふふ、京さんはいつも賑やかでいいね」

蛍「そうだな」

唯「君は、京さんみたいな人が良い?」

蛍「なんだよその質問。……まあ、京は周りの空気を明るくするやつだからな」

唯「そうだね」

蛍「良いんじゃねえの?」

唯「それに健康的な脚も最高だね」

蛍「それはお前の意見だな?」


唯「京さんのスパッツに無限の可能性を感じているよ」

蛍「同級生をそういう目で見るな」

唯「世の中に可愛い女の子が多すぎるのが悪い」

蛍「世の中のせいにするな」

唯「否定されてばかりだ……自分で自分を慰めることしかできない」

蛍「お前が言うとなんかややこしいな!」

唯「無論、自慰だ」

蛍「言い直すな!」


―――――


智「……なんです?」

 (小さい自販機が新しく設置されてるです。

  これならなんでも選べるです)

帝「会長、こちらです」

智「?」

帝「会長が要望していた背の低い自販機です」

皇「うむ! これならボタンが押せる」ピッ ガコン

帝「それは良かった」

智(……生徒会長の権力スゲーです)


智(これなら私も一人で買えるです)

 「……」


 *


妃「ん?」

智「あ、です」

妃「あんたまた買えてないの? はい」ピッ ガコン

智「ありがとです」

妃「礼なんていいわよ」

智「……」タタタタタッ

妃(……あれ、皇が子ども用の自販機設置したんじゃなかったっけ?

  あの娘なんでわざわざ……ま、いっか)


智「~♪」

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