第6話 ハンバーグ

 その日も、相変わらずたくやとはるかをいじり、その後には、俺とちーちゃんがいじられ、水を飲み干して、フードコートを後にした。


 この日の夕飯は、ハンバーグだった。


(いや、叶うまでの時差っ!)


 と心の中でつっこんだ。


 ちょうど、ハンバーグを食べ終わった頃、

 ちーちゃんからメールが来た。


[最近、私達のいじりヤバくない⁉︎笑]

[ヤバいよね⁉︎笑 あいつら、ホントずっと言ってくるもんな〜]

[この前、しほからも言われてさ笑 結構噂広まってるっぽいよ笑]

[マジ⁉︎ヤバくね?笑 違うのにな〜笑]




[私的には、ホントなんやけどね…]

[そっか… ごめん。]




 考える間も無く、気づいたら返事をしていた。

 そこからの記憶は、曖昧だ。


 クロッキーには、回数制限があり、夕飯がハンバーグになったことで全回数を使いきってしまったのか?

 いや、確かに、思い返してみると、〈ちーちゃんの好きな人を知れますように〉としか願ってない。

〈ちーちゃんから告られて付き合えますように〉とは、願ってない。

 そう考えると、願いは叶っている。

 ちーちゃんの好きな人は知れた。


 でも、こんなの、あんまりだ。


 自分でも訳がわからない。

 なぜ、あんな返事をしたのか。


 自分が振ったくせに、自分が一番ショックを受けている。


 部屋の隅を見つめていた。

 なにが起きたのか、整理ができない。


 部屋の中。家の中。


 もう、試合は動かない。


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