第25話 神の少年
ジェイクは【神領域】というスキルを30万のスキルポイントを使用する事で覚える事が出来た。
現在も最大値の50万に向かってスキルポイントは時間と共に上昇を続けている。
ジェイクはスキルポイントが上昇しやすくなっている現状を利用して25万ポイントを使って最大値を100万ポイントにする事に成功する。
0ポイントに近くなったジェイクのスキルポイントは猛スピードで再び上昇を始めた。
恐らくだけど時間とは自分自身の命の時間も作用されるのではないかと思った。
つまり炎の魔王と勝負して殺される確率が高いという事。
それがジェイクのスキルポイントを高速で上昇させているのだろう。
これを利用して、炎の魔王と睨み合いのふりを続ける事にした。
もちろんそこにはお腹がぽっこりと膨れて、なぜか15歳なのに髭がぼさぼさのジェイク老人がいた。
「あれはただ事ではないわ、あの異常な炎魔法を、魔法を使わないで左手でガードすると、次はお腹がぽっこりになっている。極めつけは髭がぼうぼうと生えてきたわ。あのスピードには少し女性として引けるわ」
「姉御は兄貴の凄い所を見ていないんです。兄貴はいつも髭を隠していたんです」
「ほ、本当なの?」
「すいません、嘘です」
「まったく、ではあたし達も援護しに行きましょう」
「別人になってしまった兄貴を助けに行きます」
「さっきから無駄口が多いから死ぬぞ」
「ちっち、それなら大丈夫よ、ちゃんとあなたを盾にするつもりですもの」
「兄貴は盾になる男です」
「お前らは僕を何だと」
「兄貴、動きましたよ」
炎の魔王が動き出すと。
「ちょっとまってくれ」
そう言ってジェイクはスキルポイントの付与を始める。
「兄貴馬鹿になったんですか?」
「この命がけスタイルが儲け時でな」
「ジェイクあなたこのスリルを楽しんでいるのね」
「楽しんでるっつうーかポイントが上るしフィーバー中だからさ」
「あなたはMに目覚めてしまったようね」
「Mってなんですか姉御」
「いいい、これは大人の」
「ぐおおあおあおあおあおあおあおお」
魔王が叫び出した。
「ま、まさかあなたも興味があるのね」
「さて殺すか」
「突然ジェイクさん変わりすぎですわ」
「だってポイントを付与し終ったし、最大値が1000万になったしね、まさか300ポイントで済むとは」
「ちょ、嘘でしょ、スキルポイントが1000万ってどこの化物ですか」
「あ、兄貴、やっぱりすごすぎる。ドワーフなのに俺様の凄い所が何も見えない」
魔王が右手と左手を炎のボールにする。
1つの塊がとてつもなくでかすぎるそれを魔王は右手と左手を掲げる。
【賢神オルディンの強さを侮ってはいけんぞ、わしの十八番の最強黄金のバットで打ち返してみいいいい】
ジェイクの右手と左手には2本の黄金のバットが出現する。
「ジェイク、あなたはふざけているの? そのバットで何が出来るというの?」
「これをこうやって振るだけだ」
ジェイクは構えを取る。
一体どんな構えかと言うと、ただ棒を握りしめているだけ。
魔王の化身から炎の魔王になったそいつは2個の炎の塊を両手同時に投げてくる。
ジェイクはそれを打ち返す。
カキーンという音を鳴らしながら。
木々を粉砕して2か所にて大爆発が起きる。
その爆発は恐らくクレーターが出来るくらいだし、ちゃんと建物がない所を狙ってかっ飛ばした。
炎の魔王は唖然とすると、次から次へと炎の塊を投げまくる。
「うごうごぐおおおおおおおお」
「あーちゃたあああああああああ」
2人はまるでライバルのように炎のボールを投げてはそれを打ち返すという事を繰り返した。
さすがに森のあちこちで爆発が起きていたら。人々は怯えるだろう。
そう配慮したジェイクは空に向かって打ち返す。
しかし逆に空が爆発で包まれ、
それは花火と呼ばれる綺麗な火の花が空を覆った。
それを10時間くらい経過させただろうか?
隣ではネイリとミナラクが座っている。
ちなみにここまでやると、色々な地区からここまで人々がやってくる。
ジェイクは疲れを知らないし、10時間も投げまくっていると、スキルポイントが5000万ポイントまでが最高値に達した。
命の危険だと思っている状態により、いつもよりスキルポイントが急激なスピードで上昇して行く。何よりその危険度が高ければ高い程、物凄いスピードで上昇していく。
炎の塊であるボールをゴールドのような素材で作られた黄金バット。
それは賢王オルディンが召喚したものであった。。
その黄金バットは何度叩こうと、何度振りぬこうと折れる事はしなかった。
炎の巨大な塊が飛来する度に、その攻撃がSが数えきれない程つく魔法である事を知っている。
それを一撃食らったらジェイクは昇天するだろうし、体のパーツが残らなく死ぬから、蘇生も不可能だろう。
その張りつめた空気の中10時間も到達したのだ。
いま1億ポイントまで上昇した。
現在のジェイクのスキルポイントの限界値は1億ポイントであった。
きっと前代未聞だろうと思われるこの状況。
この危険な状態が色々な習得可能スキルを覚えて行く。
しかし殆どがありえなくいらいの数値が必要。
あるスキルなんて2000万ポイントが必要とか。
ふざけて居た。
あれだろうか、世界征服とか異世界を統一するとか狙っている人なら嬉しい誤算だろうけどさ。
ジェイクとしてはのほほんとクエストを受けて強くなっていく方がいい訳だ。
まぁそんな所を期待しても仕方がない。
沢山の人々が野次馬根性丸出しでやってくる中。
ちなみにレベルも1000レベルに到達している。
この世界で1000レベルの奴って珍しい存在なのだろう。
ジェイクのバットはいつも通り炎の塊をカキーンと打ち返した。
次の瞬間、バッドごと放り投げる。
黄金のバットは回転しながら魔王の顔面に激突。
次の瞬間、魔王は爆発した。姿形もない魔王の死体は風が攫って行った。
沢山の実者客体は拍手喝采して、魔王パーティーは終わりを迎えた。
【おめでとうございます。炎の魔王を討伐しました】
その音声は世界中に轟いたはずだろう。
魔王は突如現れた。そして突如討伐されたのだから。
色々と嫌な予感を感じながらジェイクはふうと一息つく。
「こんなふざけた終わり方するくらいなら、あいつらは何の為に死んだのだろう」
「そうですよね姉御に兄貴」
「ふ、茶番だ」
ネイリの冷たい一言が囁かれた。
あと魔王は粉々になったので素材は何も手に入らないし、武器も手に入らないし、炎の魔王はジェイクをレベリングしてくれた存在だと思うようになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます