第21話 再び出発
ジェイク達は衣服を乾かす事に成功すると。
それぞれが出発の準備を取った。
それから3人は階段をひたすら上り続けた。
大抵小部屋が沢山ある所に到達して、普通のモンスターとばかり出会った。
ジェイクは鑑定すると殆どがランクSSSばかりであったので、なるべく攻撃しないようにした。
戦わざるおえないモンスターとは戦う事にしている。
「次で45階層よ」
ネイリの残酷な一言でジェイクとミナラクは絶望の瞳をダンジョンの天井に向けていた。
ここまで来るのに、戦わざるおえないモンスターとは今の所【殺戮ピエロ】1体と【ドラゴンソードマン】4体と【島食いドラゴン】1体であった。
自分達の隠密機能の技術が高い事に少なからず誇りを抱いている。
それを45階層まで続けたのだから、ある意味凄いだろうし、一々1体ずつ倒していたらこちらが死ぬだろうし。
しかしスキルの条件にマッチする奴がいそうだったけど、命には代えられないと思ったので、逃げるに決断した。
ようやく辿り着いた場所、そこには巨大な扉が設置されていた。
至る所を鎖で封印でもされているようだった。
ジェイク達はその扉がゴールだと思った。
なぜか後ろには別な道もあったのだが、きっと巨大扉がゴールに違いないと彼等は決断して走った。
鎖で封印された巨大な扉がゆっくりと開かれていく。
するとそこから現れたのは、モンスターの大群だった。
全部で10体位はいるだろう、今まで避けてきたモンスター達だ。
どうやら【殺戮ピエロ】などの倒したモンスターはいないようだ。
ジェイクは四方を鑑定する。
全てがSSSランクばかりだった。
しかも四方を囲まれているので、逃げる事も出来ないし、別な道に続く道も壁が閉ざされて行けなくなっている。
「これってジエンドってやつだよな」
「ジェイク、諦めてはいけません」
「兄貴も姉貴に励まされているようじゃ終わりだぜ」
「お前はいつからそんなに態度でかくなった」
「いつも態度でかいぜ」
「ったく」
ジェイクは心の中で爆笑していた。こんな危機的状態に関わらず。
ネイリもミナラクも一切諦めていないのだから。
こいつら馬鹿かと思う程、相当な天然だと思う程、頑張り屋って事だ。
「ミナラクは武器を持っているモンスターの武装解除を頼む」
「了解だぜ」
「ネイリはミナラクの護衛だ」
「いいけど、あなたはどうするの?」
「僕か? 僕がやる事は決まっている。敵のお掃除タイムだ」
走り出す。思いっきりジャンプすると10体のモンスターを把握。
最高位の【鑑定】スキルにより同時に全てを鑑定する。
【シャドーマン:SSSランク:影そのもので攻撃してくる】
【スライムの騎士:SSSランク:人形のスライムが剣で攻撃してくる。達人級】
【土人:SSSランク:地面の中を移動しながら攻撃出来る】
【光の弓兵:SSSランク:光の弓矢を解き放つ】
【暴食鳥:SSSランク:食べ過ぎる鳥であるが、食べ過ぎた食べ物を消化すると最強に】
【光の玉:SSSランク:ただの光の玉だがとてつもなく眩しい】
【緑のグリフォン:SSSランク:自然の力を活用して戦う事が出来る】
【魔王の化身:SSSランク:魔王のちぎれた破片みたいな存在であまり強くない】
【猪の戦士:SSSランク:猪が二足歩行したらこうなる】
【生きた屍:SSSランク:何度殺そうと蘇る】
ざっと10体のモンスターを鑑定し終わると。
ジェイクは地面に着地した。
スライムの騎士と光の弓兵と魔王の化身と猪の戦士と生きた屍から武装解除が成功したようで、彼等は自分が持っていた武器を失くして驚いている。
「へっへーん、このスピードには付いてはこれまい」
「ちょっと早すぎ」
ドワーフのミナラクは走りながら、武装解除した武器を片端から掴んでは遠くに投げている。
さすがに持ったまま移動は難しそうだ。
しかし敵には武器が必要のないモンスターがいる。
そいつらに攻撃を食らったら。いくらミナラクとネイリでも致命傷は避けられないだろう。
ジェイクはスキル【スペルマスター】を発動させる。
基本的に覚えているスキル魔法の分解だが、今回はこういう魔法があるであろうというのを元に魔法事態を創造する。
スペルマスターがSランク級だからこそ出来る裏技魔法クリエイト。
右手にイメージするのは炎、左手にイメージするのは影魔法。
現在ジェイクは沢山のモンスターに攻撃を受けながら、避け続けている。
その間にスペルマスターを発動させる。
炎と影を融合するのだが、影魔法自体を習得していない。
影魔法自体も作る必要があった。
完成した魔法は【多重分身】という魔法だった。
それを発動した時、分身が20人に増加した。
モンスター達はそれぞれが驚いた顔をしている。
もちろんミナラクとネイリも驚きを隠せないようだ。
しかしこのままではただ増えただけだ。
次にやるのは分身した奴等全員で弓矢を構えると。
【全方位射撃】スキルを発動させる。
これは敵と認識した相手を狙う射撃であり、仲間などには当たらないようになっている。
ジェイク達21名は全方位射撃を解き放つ。
四方を埋め尽くす数えきれない矢。
矢はモンスターを次から次へと駆逐していく。
モンスター達の断末摩が響き渡る中、ジェイクは大きな声で気合を発した。
するとそこに立っていたのは、たった1体のモンスターであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます