第17話 機械窟の無限扉
冒険者ギルドに入ったジェイクとネイリとミナラクは真っ直ぐにいつもお世話になっている受付嬢の所にやってきた。
「ダンジョン攻略をやってみたいのですね?」
「はい、僕とネイリとミナラクで攻略してみたいのです」
「なるほど丁度調査中のダンジョンがあるのですがやってみますか?」
「ぜひやらせてください」
「現在そこには数十名の調査団が入っています。あなた達にも調査をお願いする事になります。危険だと思ったら逃げる事それを約束してください」
「もちろんです」
「ではこれが最近出現したダンジョンになります」
そこに書かれてあったのは【機械窟の無限扉】というダンジョンであった。
ジェイクはこの不思議なダンジョンの名前を見ていた。
「場所はここになります」
地図にデータを転送する事によってダンジョンの場所が表示される。
さほど遠くもなく近づきすぎでもない距離感であった。
「ダンジョン攻略は少しずつやるのがコツとされております。冒険者ギルドに素材アイテムを納品してお金も貰う事が出来ます。どのように扱うかはあなた次第という事です。ダンジョン攻略をしたらまたクエストを受けに来てくださいね」
受付嬢がにこりと微笑むと。
「またお世話になります」
ジェイクとネイリは頭を下げるのであった。
それから3人は談笑しながら歩いていた。
街道を歩き通づけていると、巨大なダンジョンが見えて来た。
その入り口は巨大な門でもあった。
そこに沢山の冒険者達が中に入っていく。
その時のジェイクたちはわくわくしていた。
ダンジョンの部屋は無数にあり、そこにはあらゆるモンスターが出現するのだ。
まず1階層に出現するモンスターはスケルトン系が多かった。
奴等は軽めの剣を握りしめると走って来る。
ジェイクは剣術スキルSランクを発動させて、その滑らかな剣裁きによりスケルトンをただの骨細工にしてしまう。
2体目のスケルトンがこちらに向かって弓矢を引き絞ると。
矢が飛来してくる。それを剣術スキルSランクにより矢を両断する。
矢じりが地面に転がる中、竜眼剣を構えて走り出す。
スケルトン弓兵を倒すと、次のスケルトンも破壊する。
しばらくするとそこは無言の広間になる。
「ジェイク、たまにはあたいにも倒させてよ」
「俺様の存在理由が分からないぞ」
「それはすまない事をした」
どうやら1階層にはスケルトンタイプしかおらず。
ネイリの両手の爪が4足歩行の獣のように走り出す。
スケルトンの首を両断するとそいつは玩具のように崩壊する。
ミナラクはスケルトン相手に武装解除を使う訳にもいかないので、巨大なハンマーを取り脱して戦っている。ハンマーの扱い方はぴか一そのものであった。
武装解除スキルは敵が武器を持っていたりしていると発動出来る最強なスキルだと思う。
かくして3人は2階層と3階層をクリアすると4階層に到達していた。
2階層は獣系のモンスター、3階層は人形系のモンスター。
4階層はゴーレム系のモンスターであった。
ジェイクたち3名はゴーレム系のモンスターに手こずっていた。
圧倒的な防御力を誇るゴーレムにはジェイクの剣もネイリの両爪もミナラクのハンマーも通用しなかった。
巨大なゴーレムが地面を踏みしめて歩いている。
少しずつこちらに近づいている中で、ジェイクは即座に動いた。
水魔法Sランクを発動させていた。
Sランク級の水魔法は異空間から沢山の水を送りだした。
ゴーレムはまるで洗い流されるように水の激流に飲まれて行く。
ゴーレムの皮膚が少しずつ剥がれて行き。
そこには骨組みとなったゴーレムがいるだけで、既に動く事はしない。
少しだけひどい倒し方だが。
それはそれで仕方がないと思うようにする。
かくして5階層に到達しようとしている。
5階層と言っても地下に行く形。
どんどんと下へと向かっている。
手すりがあるようになった。
その崖のような所に落ちたらどうなるのだろうかと、恐怖を抱き始めて来た。
5階層のモンスターはバード系が多かった。
6階層になると別な4人パーティーと合流するようになった。
「ここから先は色々とよろしくお願いします」
「うん、僕もよろしくお願いします」
1人は剣士っぽい少年で、2人目が槍使いなのだが目が鋭い、3人目はヒーラーのようだが女性の顔にしてはひどい、4人目は盾使いのタンカーのようだが、いやに太り過ぎている。
ジェイクとネイリとミナラクは少し合流するのが嫌ではあったが。
しかしこの先はとても難しいモンスターが出て着そうだとこの人達に聞いたという所もある。
3人と4人のパーティーメンバー達は7階層に到達していた。
7階層になってくると色々とモンスターも強くなってくる。
ここまで倒して来たモンスターを【解体】しているので素材アイテムにいくらか入っている。
6階層から別なパーティーと組む事になったのでそれは発動していない。
7階層のモンスター達は結構やばい奴等ばかりであった。
マシーンドラゴンやマシーンタイガーなど、機械と呼ばれえる物質との融合を果たしたモンスターばかりがやってくる。
ドラゴンもタイガーも鉄のような部品を体に埋め込んで。
何か未知の文明と融合したモンスターとなっていた。
こちらが牽制していると、別パーティーが乱入してきたりした。
あちらとしては助けるつもりだったらしい。
モンスターはこちらが倒す事に成功するも、あちらとしてはあちらが倒したかったそうだ。
3人パーティーと4人パーティー達は仲が悪くなって行く。
それと止めようとしていたら、別パーティー達が突如タックルしてくるではないか。
はっと気づく、後ろには崖そのものがあった。
相手は同時にタックルしてきたのでネイリとミナラクも巻き込まれる。
かくして僕達は別パーティーにタックルされてダンジョンの奥深くに落下して行く事になった。
落下は永遠と思える程続いた。
一体どれくらいら落下したのだろうか、ネイリとミナラクも両隣にいた。
きっと地面に叩きつけられて即死するのだろう。
それしか脳裏には浮かばない。
だが自分が沢山のスキルを覚えている事を思い出した。
【空走破】を発動させる。
落下しながらネイリとミナラクを掴む。
空を歩き続ける。
最低でも5分間は走る事が出来る。
しかし周りを見ても壁だらけ、走りまくって最下層に向かう。
上はずっと壁だったので下に駈けるしかないのだ。
ひたすら降りて行くと、そこには地面が見えてくる。
なんと運がいい事だろう。
ジェイクとネイリとミナラクは地面にゆっくりと踏みしめた。
【ようこそ真実の迷宮へ】
脳裏に響く何かの声。
【ここがスタートポイントです】
どうやらここがスタートポイントであり、何やら意味が分からず。
【地上に脱出できるかな】
んなもん知るかと突っ込みたいが。
辺りを見渡しても暗闇そのものであった。
所々には松明が掲げられている。
ずっとここが無人では無かったという証拠なのだろう。
落下のショックでネイリとミナラクは気絶していたが。
現在ゆっくりと叩き起こす事にする。
「ぎゃあ、しぬうう」
「うは、しぬぞ」
「生きてるぞ」
2人はこちらを見て絶句していた。
そしてここがどこなのか分からず。少し気絶しそうになっている。
それを気絶させないようにしつつも、色々と説明する
「僕の頭の中でこのダンジョンの案内みたいな音が鳴っている」
「へぇあたいにはそんな声は聞こえないけど」
「うん、俺様にも皆無だぜ」
【この声はあなたしか聞こえないでしょう】
まぁほっとくとして。
「なら、ダンジョン攻略ではなくて、ダンジョン脱出攻略を目指してがんばろうううう」
「おおおお」
「なんか虚しい」
3人の目的が決まった時であった。
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