第16話 仁義なき女の戦い(?)
僕は当たり前だけどセブンシックスにパシリだ。約束事ではあるが二度目のセブンシックスは勘弁して欲しいぞ、ったくー。
僕は論寄君たちが指定した物(当たり前ですけどお金は事前に受け取ってます!)を渋々ながら買って店を出たのだが・・・
「・・・並野君?」
店を出た途端、僕は右の方から声を掛けられたから右を見たけど、そこにいたのは・・・あれっ!?
「あー、証子先輩、こんちは」
僕は証子先輩に軽く挨拶したけど、証子先輩は丁度帰宅途中だったようで制服に鞄を持っているけど、その証子先輩はニコニコ顔で僕の前まで来た。
「『こんちは』じゃあないわよー。たしか並野君は
「あー、今、証子先輩のうちに来てますよ」
「まじ!?」
「本当です。平たく言えば麻雀です」
「あらっ、意外ね。もしかして麻雀好き?」
「違いますよ、ただ単に数合わせです。その証拠に2回連続のパシリですから」
「あー、ナルホド。いつものパターンね」
「いつもの?」
「そう、いつもの。
「はーー・・・勘弁して欲しいですー」
「大丈夫大丈夫!次からは大船に乗った気分でいなさい!」
「はあ!?」
いきなり証子先輩が自分の胸を『バシン!』と叩きながら言い出したから、僕には何の事なのかサッパリ分からないけど、証子先輩はニコニコ顔だあ!
「・・・このわたしが並野君、君をマンツーマンで指導してあげるから安心しなさい!」
「もしかして、証子先輩も麻雀好きなんですかあ?」
「ノンノン!『麻雀好き』じゃあなくて麻雀は生活の一部よ」
「『生活の一部』?何の事ですかあ?」
「『論より証拠』よ!言うよりもやった方が早い!」
「ますます意味不明ですー」
「とーにーかーく、お姉さんが手取り足取り教えてア・ゲ・ル」
それだけ言うと証子先輩は僕の腕を無理矢理掴んで、そのまま論寄家まで引っ張って行ったけど、その時の証子先輩は今までで最高とも思えるほどのニコニコ顔だったのは言うまでもない。
で・・・どうなったかというと
3回目の
並び方は先ほどと変わって僕の右に
証子先輩はというと・・・どうして僕の横に座るんですかあ!しかも制服から着替える事なく折り畳み椅子を持ってきてドカッ!とばかりに座っているなんて、何を考えてるんですかあ!!
3回目の
「
僕が言う前に証子先輩が千点棒を出して・・・ちょ、ちょっと証子先輩、たしかに
僕は思わず目で先輩に「勘弁して下さいよお」とボヤいたけど、証子先輩は全然気にする事なく、僕の右肩に自分の左肩を押し付けている!明らかに麻さんは『カチン!』としてる表情を隠そうともしないし、さっきから証子先輩は「ニヒヒヒヒヒ」と麻さんに笑ってるから、論寄君は「はーー」とため息をついてるし、国士君の顔は引き攣っている。
麻さんも国士君も論寄君も、一発ロンだけは避けるべく安全
僕は右手でアッサリとツモったのだが・・・
「・・・あれっ?一発です」
「「「嘘でしょー!」」」
僕が『
「・・・先輩、なかなかやりますねえ」
麻さんはコメカミをピクピクさせながら証子先輩に言ってるけど、その証子先輩はニコニコ顔のまま
「ま、この程度は朝飯前よ」
「へえー、朝飯前ねえ。よっぽど腕に自信があると見えますけど・・・」
「当たり前です。こう見えても
「愛弟子ねえ。あの麻雀界のグラビアアイドルの愛弟子だからといって、ちょーっとやり過ぎのような気がするんですけどお」
「やり過ぎ?」
おいおい、麻さんは明らかに喧嘩を売ってるとしか思えないぞ!しかも左肩をズンズンとばかりに動かしてるという事は、証子先輩が僕の右肩に自分の左肩を押し当ててる事が気に入らないと言ってるのと同じだあ!
この一言に証子先輩の顔が変わった!こっちも目の色が変わって『カチン!』という表情になってるぞ!
「失礼ね!三色同さんは親戚、正確には母方の
「フン!愛弟子だか
「いいでしょう!三色同さんに恥をかかせる訳にはいかないから、返り討ちにしてやる!
証子先輩はいきなり立ち上がると論寄君を押しのけるようにして僕の左の席に移った!当たり前だが論寄君はブーブー文句を言ったけど、証子先輩の目が完全に血走ってるからアッサリ引き下がってしまったほどだ。
こうして、麻さんVS証子先輩の仁義なき女の戦い(?)の幕は切って落とされた!
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