第17話 ごめんなさーい
「・・・ロン!」
南3局、証子先輩は僕から
ただ、この二人の点差は僅か3500点しかない!つまり、簡単にひっくり返るだけの点差でしかないのだ。
南4局、つまり最終局は証子先輩の親だ。ドラ表示牌は『
証子先輩の最初の捨牌は『
だが、麻さんの手が突然止まった。
ツモした牌を一番左に入れたかと思ったら、ピタッと動かなくなったのだ。何を考えてるのか分からなかったけど、その麻さんは何かを奮い立たせるかのように首を『ウンウン』と2回、縦に振ったかと思ったら千点棒を右手に持った。
「
麻さんは気合を込めて一番右にあった『
次のツモは国士君だけど、もう国士君もほぼ3位確定というべき形だから、無理しないで手牌からアッサリ『
証子先輩の考えは僕にも分かる。このまま流局になれば、その時点で終局だ。つまり、無理して上がって
そのまま4巡が過ぎた。
重苦しい空気が支配する中、僕のツモはドラの『
でも・・・僕、実は既に『
僕は迷ったけど、折角の権利を放棄するのも惜しいと思って、
「
僕がそう言って『
僕は2枚目のドラ表示牌をめくったけど、『
その僕は
「あれっ?」
僕は思わず呟いてしまった。
その声を聞き留めた証子先輩と麻さんが僕の方を見てるけど、僕は証子先輩と麻さんの目を交互に見た後、苦笑いをしてしまった。
「・・・ごめんなさーい、上がりです」
「「「嘘でしょー!!!」」」
証子先輩と麻さん、それに国士君は絶叫したけど、当たり前だが証子先輩はすぐにニコニコ顔になって麻さんは引き攣ったような顔になった。その理由は僕にも分かるけど、この段階で『
僕はニコッとして手牌を崩した。
でも・・・証子先輩はその瞬間、引き攣ったような顔に変わったし、麻さんは一瞬だけ目を輝かせた後、ホッとしたような表情になった!なぜならば・・・
「ごめんなさーい、『ダブ
僕はそう言ってニコッとしながら右手を差し出したけど、証子先輩は「はあああーーー・・・」と長いため息をつきながら右手を額に当てたのは言うまでもなかった。そう、僕は『
証子先輩が超長ーいため息をついた理由がこれなのだ。なぜならば、証子先輩は1万2千点なのに対して麻さんは6千点プラス
殆ど流局確定で九分九厘勝利確実という雰囲気だったから、証子先輩はニコニコ顔でいたところへ思わぬ形で負けになったから、ため息をつきたくなる気持ちは僕にも分かる。なにせ2つ目のドラが効いて一気に三倍満になってしまったのだから。
百歩譲って倍満だったら、証子先輩が8千点で麻さんが4千点プラス
逆に麻さんは勝負をかけたにも関わらず敗色濃厚だった所を、僕が
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