第30話 屋敷
ソウタは採取士見習いは奴隷を明日購入する事にして、取り敢えず貰った屋敷に帰る。
屋敷には、ナナミも連れて行く事になった。男爵用の大きい屋敷なので、部屋は沢山あるのだ。
「ソウタ……、さんが男爵になっちゃうなんて、ビックリだよー。おまけに大きな屋敷に住んでるんでしょー」
「ま、まあね。俺もビックリだった」
「ふーん」
「着いたよ、ここだ」
「ええええ! 何この大きさ、村長の家の倍以上あるじゃん」
門の前には門番が1人立っている。
「ソウタ男爵様、お帰りなさいませ」
「あ、あぁ……、ご、ご苦労様です」
ぎこちなく手をあげるソウタに、会釈して門を開ける門番は、文官のポセンが手配してくれた。名前はカエチ・ゴセイ、騎士団を引退した老齢の男だ。
「彼女は、今日からここに住む事になった採取士のナナミです。宜しくね」
ナナミを門番に紹介するソウタ。
「ナナミです。宜しくお願いします」「門番のカエチです。こちらこそ宜しくお願いします」
挨拶するナナミと、丁寧に対応するカエチを確認すると、屋敷の敷地に入るソウタ。後ろをついて行くナナミ。
玄関にて呼び鈴を鳴らすと、執事のヒンカネ・カショクヒが現れた。
「ソウタ男爵様、お帰りなさいませ」ヒンカネも文官ポセンが手配した者で、没落した貴族の元執事だった老人だ。
「ただいまー。彼女は今日からここに住ませるナナミだ。部屋を用意して案内してくれ」
「ナナミです。宜しくお願いします」
「執事のヒンカネです。こちらこそ、宜しくお願いします。ソウタ男爵様から、事前に伺ってましたので、部屋は準備しております。こちらにどうぞ」
「ナナミ、この屋敷には、メイドのリエがいるんだが、後で紹介するよ。取り敢えず荷物を部屋に置いて休んでな、夕飯の準備が出来たら呼ぶよ」
「有難う!」
ナナミが執事のヒンカネに案内されて部屋に向かうのを見て、ソウタも自分の部屋に向かった。
因みにメイドの名前はリーエー・スベーカと言うが、リーエーが言い難いので、リエと呼ばれている。
その他にこの屋敷には料理人のヒンハウ・スショクがいる。
現在はソウタが1人で住む為、急遽最低限の使用人が手配されたが、メイド門番は良い人がいれば、追加する予定だ。
ソウタには領地は無いが、男爵としての給金を国から貰っている為、その給金で使用人を雇っている。
ソウタはその管理を執事のヒンカネに任せている。ソウタ自身は採取士の収入があるので、気にもしていない。
毎月の収支を執事のヒンカネが報告してくるので、確認する程度だが、黒字になっているので問題が無い事から、他人事の様に思っている。
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