第26話 初デートは遊園地一択だろ

待ち合わせ30分前、俺は遊園地の入り口付近に立っていた。


弁解させて欲しい!何しろデートなんてしたことないし

知ってることなんて最初に「待った?」「待ってないよ」

って言うテンプレセリフを遣わすことくらいだ。


深呼吸をして気持ちを整える。

深呼吸は息を吐くほうを先にするといいと聞いていたので、

俺もそうする。


ハー、スー、ハー、スー


だんだん治ってき


「先輩早いですね、待ちました?」


「マッテナイヨ」


「カタコトですねぇ、それにしても

いきなりデートしようとか言い出して場所は遊園地ですか、

なんというか安直ですね」


冷たい物言いに不安になり問う。


「いやだったか?」


「すっっごく嬉しいです!」


一瞬で笑顔になり不安が消し飛ぶ。


「良かった、じゃあ予定より早いけど行くか」


「そうですね!let's go!」


「発音いいな」


ステップを弾ませて前をいく那月に急いで追いつく


「そういえば、待ってないぞ?」


なんとなく言い忘れていたと思い言ってみると、

那月は顔を少し紅くして小走りして行ってしまった。

怒ったのかなぁ


「ちょっと待ってくれよ」

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