第9話 地獄の掃除
今日は土曜日、
那月の部屋の掃除をする日だ。
まぁ流石に何時間もかかるということはないだろう。
気軽にインターホンを押す
「はーい」
「俺だ。掃除しに来てやったぞ。」
「先輩ですか。今開けます」
ガチャ
「これは、、、空き巣にでも入られたのか?」
「空き巣?まさか。来たとしてもこの部屋を見た時点で帰りますよ」
「確かに、、、」
魔界の扉を開けると、そこには混沌とした世界が広がっていた。
人が住める場所ではない。人間界とはかけ離れている。
しょうがない、ここで立っていても始まらない。
俺はまず、洗濯物を集めることにした。
****
「や、やっと、終わっt」
しっかり言い切る前に倒れてしまった。
倒れても無理がない
なにせ、10時には始めたのに、今は夕方の6時だ
起きると、掃除せずとも唯一生前の姿を保っていたベッドだった。
「完璧なビフォーアフターだ。」
俺はテレビに出せそうな生まれ変わりに成功した部屋を見て感動した。
俺はこの日のために生まれて来たのでは、と思えるほどに。
「いやー綺麗になりましたね。これでなんとか1ヶ月は持ちそうです」
俺はその言葉を聞き、命の危険を感じた。
「ま、毎月だと!それだけはやめてくれ、
俺は酒を飲むまでは死にたくないんだ。」
なんとか打開策はないかと考えるが、何も思いつきそうにない。
「しょうがないですね。まあ何か考えておきますよ。
それより今日の報酬です。私がなんでもいうことを聞いてあげましょう。」
「家事力、せめて掃除する能力だけでもつけてくれ。」
「却下します。私にできないことは叶えられません。」
「努力すればいけるだろ」
「何も変なものを使ってないのに
料理で一家を殺しかけた私にできると思いますか?」
「その報酬は後日受け取ることもできるか?」
「一月以内ならオッケーです」
「じゃあ考えとくよ。」
その後、家に着いた俺は風呂にも入らず食事も取らずに寝てしまった。
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