第3話 ナンパと後輩

やっと終わったか、

さっさと帰ろう


「やめてください!」

「いいだろー俺たちと一緒に遊ぼうぜー」

「嫌です。離してください」


例のあいつがナンパされていた

巻き込まれたくないからさっさといこう。

そんな泣きそうな目するなよ

あーもう めんどくさいなー


「おい、やめろよ。嫌がってるだろ!」

「んだと?痛い目にあいたいのか?」

「警察を呼びますよ。今すぐやめてください」

「チッ、行くぞお前ら」


なんとか帰ってくれた


「なんとかなったか。お前1人でうろついてんじゃねぇぞ」

「すいません。家の近い友達がいなくて」

「もう友達作ったのか?お前は化け物か?」

「普通ですよ友達くらい、まあボッチの先輩には

わからないでしょうけど」

「言っておくが友達は何人かいるからな」

「まぁここにいてもいいことないですし、

帰りましょうか。」

「オレが言う台詞だからね、それ」


ともかく帰ろう。

それにしても釣り合いがとれてないなぁ

女神と原始人か?

俺は一応ホモサピエンスだったはずなんだが


「先輩、怒ってますか?」

「え?なんで?」


俺そんな雰囲気だったかなぁ


「さっきから1言もしゃべってくれないじゃないですか」

「え!そこ?俺はお前に話しかけてはいけないものだと」

「そんなルールありませんから。

てっきりお怒りなんだと思いましたよ。」


どうやらこの国では平民が姫に話しかけることが

許されているらしい。人権大事!

え?今人間じゃないから話すことが許された

とか言ったやつ表にでろ!

俺は人間だ!ネアンデルタール人じゃない!


「山田さんや、ところで どうして

あんなところでうろついてたんだ?」

「友達と別れた瞬間にナンパしてきたんですよ」

「ボルトも驚きのスピードだな」

「というか先輩は何で助けてくれたんですか?

カッコよかったですよ」

「家が隣同士の仲じゃねぇか。

あとそれ、言わない方がいいぞ。殺人罪に問われるからな」

「わかってますって、じゃあ先輩は堕ちないんですか?」

「鏡を見れば真実に気づく」

「意味がわかりませんね」


だろうな、俺は毎日鏡を見て

現実を思い知らされているんだよ。

鏡見ても美しい姿しか写らないやつに

わかってたまるか


「じゃあ先輩、さよならです」

「言っても隣だけどな」

「まあそうですね。あ、連絡先交換しませんか?」

「いらない、埋もれそうだし」

「何に埋もれるんですか?」

「他のやつらの連絡先にだよ」

「そういうことなら安心してください!

私は親しい人としか連絡先を渡していません。」

「俺とお前はそんなに親しくないだろ」

「そんなこと言わないでくださいよー。

家が隣同士の仲じゃないですか」

「ウッ、それを言われると返せない、、」

「勝ちました!それよりともかく交換です」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る