デート4
「S◯Oのなんのストーリが好きなんだ?」
俺は同じストーリーが好きだと言いなぁと思いながら聞いた。瑠璃は顎に手を当てて少し思案顔になった。そんな瑠璃も絵になる。なんても絵になるんたけどね。
瑠璃は思い出したのか、顎から手を下ろし俺を笑顔に鳴りながら見つめた。
「あえてあげるとするならマザーズロザリオかな?特に最後のシーンはすごく感動したよ」
目を涙が出そうなくらい瑠璃はうるうるさせそうにしてると思ったらもう流れていた。瑠璃はあのシーンを涙なしでは語れないという気持ちか。あのシーン涙を流すとは優しいんだな。それにしても同じシーンが好きだとはやはり相性が良いだろう。
「最後は確かに感動的だったな。生きた証であるソードスキルをあげるところなんて最高のシーンだ」
そのシーンを思い出して、俺も涙が流れそうになったが、彼女の前なんで我慢した。おとかの涙は女子に見せるものじゃない誰かに聞いたからな。
ああ、そしてゲームの中で死ぬときもたくさんプレーヤーに見送られるシーンは生きてきた証と功績を称えるものだった。それを思い出すと涙が流れた。いや流れてんじゃん。男の涙はとカッコつけたのに流してるのかよ。
だが瑠璃はキモいとか言わずに優しく微笑みながらやっぱ泣けるよねと言った。どうやら泣いて正解だったようだ。マナだったらなに泣いてるの?二次元でしょとか言うところだ。まぁそれが普通なんだが。
それから俺達はマザーズロザリオについて語り合った。
なんか忘れてるような。ああ歌か。カラオケ来たのにアニメ話で時間になるところだった。
「歌そろそろ歌わないか?」
「忘れてたよ。やっぱ好きな物の話になると何をしに来たのか忘れちゃうね」
同感だ。オタクは好きな話題だといくらでも語り尽くせるのだ。普段はたいしてコミ力を発揮しないのに、こいうときは饒舌になるのだ。オタクの特徴とも言える。
「順番私が最初でもいい?」
別今すぐに歌いたい訳じゃないから順番はどうでもよかった。むしろ瑠璃の歌声最初に聞きたかったまである。この声だと可愛く萌えるような歌声なんだろうな。
「先に歌っていいぞ」
「ありがとう」
背面にタンポポが咲き誇るような笑みを浮かべた。ヤバイ可愛すぎて見つめてしまう。だが瑠璃は気にせずに深呼吸をすると曲をいれて、歌手のような雰囲気を作り、曲が始まるのを待った。
やがて曲が流れる。これはS◯Oの曲じゃん。府と瑠璃を見ると、にっこりと微笑んだ。可愛い。そした歌い始めた。俺はファンの気持ちになりながら曲を聞いていた。
「何度も途切れそうな鼓動♪」
すごいな。決して歌手のようなプロっぽい歌いかたじゃないが、その歌声はヒロインの心情を感じる。まるで本物のヒロインが歌ってるようだ。それに感動しながら俺は自分の曲を素早くいれて、瑠璃の歌声に目を閉じ聞き入った。
そしてラストを歌い、フゥーと息を吐いた。
「どうだった?」
「まるでヒロインが現実に現れて歌ってるようだったな」
するとにぱーと笑顔になりながらも頭に手を置いて照れていた。
「ありがとうー。次は希堂くんの番だね。楽しみだなぁー」
あの歌の後に歌うとかプレッシャーがすごいな。俺は自分の歌にそこまでの自信はない。なぜならならカラオケにはほとんど一人できていて、誰かに聞かせるってことをあまりしてないからだ。妹には聞かせたが、あいつは俺を誉めることしか言わないからな。参考にならない。
付き合う時が来るんだったらマナに何回か聞かせて、アドバイスをして貰えばよかった。
そして曲が流れだす。これはさっきのシリーズのマザーズロザリオのオープニングテーマだ。
「ゴールの見えない迷路雨に打たれた地図~♪」
俺は歌いながらチラリと瑠璃を見る。するとリズムを取りながら俺のほうを見ていて目が合い、目の細めた笑顔を見せた。俺は気恥ずかしくなり、テレビ画面に目を固定した。そして一番盛り上がるところを力をいれた。そしてラストまで声量を保ちながら歌いきることができた。
ふっ一人でフリータイムで歌っていた分体力は人並み以上にあるみたいだな。だが汗をかいていた。暑いわけでもないのに。どんだけ緊張してたんだよ。バンジージャンプをする訳じゃないのに。
すると瑠璃が小首をかしげて微笑んだ。
「アニメの情景が浮かぶような歌だったよ」
瑠璃に誉めて貰えた最高かよ。俺は気分が最高潮に達していた。
それか、俺達はしばらく交互に歌い、少し休憩するかとなった。
「それにしても、瑠璃の声すごく綺麗で可愛かったな。あんなにキャラになりきり歌うなんてすごいとしか言えない」
声優に向いているんじゃないか?本人はアイドルになりたそうだが。
瑠璃は照れたのか、頭に手を乗せながらほほを赤く染めた。そしてエヘヘとか言っている。可愛すぎかよ。まさしく天使だ。
「希堂くんだって表現力豊かでよかったとよ」
でた-方言!照れると方言がでるんだよなぁー。そしてまたこの方言が良い。可愛いし。瑠璃の声にぴったしだ。俺は誉められてることを忘れるほど萌えてしまった。
そして数十秒経ってから、誉められたことに気づきありがとうと言った。俺は時間を見てたくさん残ってることを確認し、そろそろ歌うかと思った。
「それじゃ歌うか」
「そうだねー歌おうか」
「先に歌っていいか?今この最高の気分の状態で瑠璃に聞いてほしい曲があるんだ」
「へぇー楽しみだなー。いいよ最高の曲を聞かせて」
俺は機械を操作し、迷いなくいれた。曲はライジングホープだ。俺の思いを瑠璃に伝えるぞ。
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