デート9

俺達はプリクラの目の前にいる。


これがプリクラか、美人な高校生らしき人の写真がでかでかとプリクラ機についている。

だが瑠璃の方が断然可愛いと思う。

なぜならモデルだがあざとさがないからだ。

あざとさこそ可愛いの秘訣。たまに見せる天然があるとなお良し。


あと俺はプリクラをマナと取ったことあるんじゃないかと疑問に思うかもしれないがマナは普通の写真でも十分可愛いのからかさばさばしてるからか興味を持っていなかったため撮っていない。

あとなんか好きじゃないやつと撮らないわよとか言って拒否られそうなのもあるんだが。

それにしても女子の匂いがする。変態ぽいな。

ゲーセンのなかでもここは特別な異空間なのだ。

俺はクンクンと女子の匂いを堪能するが、やっぱり瑠璃の匂いが一番だという確信を得た。


俺は少し瑠璃にている写真が張ってあるプリクラが気になりじっと見ていると


「これがいいの?希堂くん」


どうやら気に入ったと勘違いされたようだ。まぁ瑠璃に似ていたから見てたんだよとか言うのは恥ずかしいのでそうだと言った。


瑠璃はじゃーこれにしようと言って中に入っていったので俺も続いて中に入る。


中に入ると恐らくさっきまで入っていたであろう女子の匂いがしたので、瑠璃の匂いをプリクラ内に充満させるために瑠璃を背に向けながらしっしとかを追い出すように匂いを追い出した。

あれでも俺の匂いもつくんじゃねと思ったが俺は無臭スプレーをつけているから問題はない。


やがて瑠璃の匂いが充満し始めると俺はその匂いを嗅いで気分が高騰した。


「ポーズどうする希堂くん?」


俺が匂いを堪能してる間に機械の操作を終えた瑠璃が小首を傾げながら聞いてきた。


アザとかわいいキュんポイント100ポイント追加でキュんしすぎで俺の胸が破裂しそう。


「手を繋いでピースはどうだ?」


俺はプリクラのスタンだーとがわからないなで自分のやりたいことを提案する。


瑠璃はそれいいねと言って早速俺の手を繋いぎピースをしたので俺もそれに合わせてできるだけ爽やかに笑顔をつくって写った。



そのあとは各々好きなポーズをすることになり変顔をしたりやれやれポーズをしてみたりした。

最後の方で俺は飛行機ポーズをなぜかやりたくなり、するとバランスを崩して瑠璃に抱きついてしまった。


ヤバイ行きなりはまずいよな、とりあえずわざとじゃないことを言わなければ、だけどフローラの香がして頭が興奮しすぎてくらくらして、離れなきゃいけないないのに離れられなくてまるで磁石のS極とN極のようにくっついて数秒がたち写真が撮られて我に戻り土下座をした。


はぁこれで別れようとかいわれたら俺は写真恐怖症になるな。

すると最後だと思っていた写真がまだ残っていて土下座が最後の写真になった。

土下座で写るなんて俺くらいじゃなかろうか。

ふっさすが俺普通とは違うぜ。

ご免なさいかなら恥ずかしいです。


すると瑠璃がふふっと笑つた。


「最後の写真が土下座なんて面白いね」


どうやらどけ座写真のお陰で起こられることはなさそうだ。どけ座で写ったがそれで許されるなら今度はジャンピング土下座を披露しよう。

俺は妹が怒ったときにどけ座のバリエーションを増やしていったのだ。


少したって静寂が訪れると


「さっきのはわざとじゃないんだ。ごめん」


「大丈夫だよ。面白いの見れたし」


瑠璃は花のように微笑むと俺の手をつかんで立ち上がらせる。

だけど顔が赤かったからさっきを思い出したのだろう。俺も顔が赤くなっているだろうが。

俺が膝の埃をはらっていると


「それに私たちカップルだしね」 

自分に言い聞かせるように瑠璃が呟いた。


俺は何かが頭の片隅にひっかかったが気にしないようにして瑠璃た一緒に外に出る。


落書きコーナで落書きする写真を選んでいるとふと抱き付いた写真が目にはいる。俺はさっきのカップルだしねという言葉を思い出しバカップルと落書きした。

ちなみにどけ座の写真には手をつけなかった。

恥ずかしいしね。現像されないことを祈る。


俺は落書きを終えて現像されるのを待っていると


「さっきの土下座の写真現像しといたよ」


瑠璃がにししとあくばらいが上手く行った子供のような笑顔を見せた。

瑠璃もこいう笑いかたするのかとまたひとつ知れて嬉しくなったが、俺は仕返しに悪い顔をして、


「俺も抱き付いた写真現像しといたぞ」


すると瑠璃の顔がトマトのように真っ赤に染まり、カップルだし、カップルだしとぶつぶつ言い始めた。


暫くたつと写真が現像されて一枚を瑠璃に渡すと、俺にグッと近づくと

「この写真誰にも見せないようにね」

真面目な顔で言った。


俺はその顔に気圧されわかったと言った。


ちなみに俺は吹っ切れたの抱き付いた写真に落書きしたあと、他の写真にもラブラブとかカップル画やらそうな言葉を書いた。もちろんずっと一緒だよとも書いた。

瑠璃は写真を見ながら悲痛な表情を浮かべていた。

ちなみにプリクラの周りには俺たちだけになっていた。なぜだ?









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