梅雨入り

傘の先に輝く涙珠

万華鏡の様に映り込む陽光

時に思う

わたくしは此処に居てよいのだろうか

居なくてもよいのではなかろうか

どうしようもなく溢れる雫

蒼穹からぽつりぽつりと落ちては

掌でぱちりと弾け散る

雨粒に染められし鈍色の心

ひび割れそうになるのを

辛うじてこらえているらしい

紫陽花の葉の上にて佇む蝸牛が

不思議そうに

わたくしの顔を覗き込んでいる

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