第21話 異世界見聞録編 04 カジノを体験しよう。
そして、私達はカジノへ移動する。
私はウキウキしながら店の前に立つ。
キラキラしたネオン、お店の入り口ではバニーガールな姿をした女性が呼び込みをしている。
この世界もカジノに入るのに年齢制限があるようでジュリエッタが一度止められたが・・・
赤い瞳で『あ”~』一睨み、無事?に入店できた。
(私の世界では未成年だけど・・・・この世界では外見はメルフィス姫!問題ないんだ!これなら本屋やビデオレンタル屋さんの奥にある暖簾をくぐって・・・冒険の世界に入れる!?)
人生で初めて入ったカジノを見渡す。
色々色々なテーブルでディーラーとお客がチップをテーブルの上に置き、カードを見ながら対決している。
この世界でもカードを使ったゲームがあるようだ。(ルールは分からないが・・・)
残念ながら初心者向け?のスロットルマシーンは存在しないようだ。
ただ、カードゲームでは私はルールが分からない。
私にも出来るものは無いかな~でキョロキョロしながらカジノの中を歩く・・・
そして中央に大きなテーブルがあり、数字が沢山書いてあるボードがある。
その隣に丸く数字がいっぱい書いてあり回転する台に球が落ちるのが見える。
これ知っている!ルーレットだ!
(異世界転移しても大丈夫なように事前にルールを勉強しておいてよかった!)
私の世界とルールは大体一緒のようでチップを番号のマス等に置き、当たると置いた場所によって2倍~の配当がもらえるようだ。
私は早速ルーレットに挑戦すべくテーブルにある椅子に座る。
トビマルが掛け金として金貨を100枚出してくれた。
私はディーラーに金貨を渡し、チップと交換。初心者お得意の”白”に金貨30枚分かけてみる。
他の3人はそんな私の様子を見ている。
私が賭けた金額が大きかったのか
「お~~~~~~」
周りから歓声があがる。
ルーレットが回り・・・・”白”の玉が入る。
当たった!当たった!掛け金が倍になりましたよ!倍に!!
金貨30枚のチップが倍の60枚に!
気分を良くする私。
次も白!、掛け金を倍の60枚分賭けて、そして当たる!!
早くも勝利に酔いしれる私。
次も白掛け金をさらに倍にしてみよう・・・・。残念!黒!
チップは没収された!
「う~~~~~ん」
再度は黒にチップをかける私・・・・はずれ!ディーラーによって目の前からチップが回収されていく。
あれよあれよとチップがなくなると・・・くやしい!の私にトビマルが金貨をだしてくれて・・チップに交換、再度かけて・・はずれ!
負けを取り戻すと強気にかけて・・・あれよあれよとチップがなくなり・・・くやしい!、Give me money 繰り返し
いつ辞めるかって?負け分を取り戻すまで!
くやしい!でも辞められません!勝つまでは!ここで諦めたら試合終了ですよ!
こうして何千枚と金貨を取られた・・・・
周りの観客も私が哀れに見えたのか・・・
「そろそろ諦めたほうが・・・」
と助言してくれる。
隣で見ていた3人、ジュリエッタは凹んでいく私を楽しそうに生暖かい目で、他2人は不思議そうにしている。
「交代しましょうか?ゆきち様」
あまりの凹み具合に見かねたジュリエッタが助け船を出してくれる。
そうして私はジュリエッタと交代。ジュリエッタにトビマルが金貨を渡す。
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ここはカジノの裏側・・・・
「いいカモが来たぞ!」
カーテンを少し開けて、ゆきち達を見ている男性が・・・
両手の指に金色の指輪をしていて小太りで蝶ネクタイをしている。
このカジノの支配人だろうか?
ニヤニヤしながら周りに指示をしている。
「あの金髪、いい体しているな~顔もいいし・・・ただ、見かけとは違い、頭は弱そうだ。ギャンブルに熱くなっている!もっと絞りとれ!」
とルーレット台の下にいる部下に指示する。
最初に勝たせて、相手が乗ってきたらとことん搾り取る!
「しかしあの女、相当抜けているな!金貨からチップに交換しているレートをだんだん悪くしているのに全く気が付いていない・・・・今度は”白”にかけたから”黒”にしろ!」
ルーレットが回り、イカサマで黒に球が止まり・・・・ゆきちの前からチップが消え・・・・。悔しがるゆきち・・・・ギャンブルにハマっています。
「しかし、隣の黒ずくめの男、何枚金貨をもっているのだ!軽くこの国の国家予算1年分は絞りとっているはずだが・・・・」
また外してルーレット台に倒れこむ・・・ゆきち、それをみて見て微笑む支配人。
諦めてチビに交代か・・・・
「チビは”20”にかけたぞ、分かっているな!」
とルーレット台の下にいる部下に声をかける。
「もっと絞り取ってやれ!」
支配人はニタニタと笑っている
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すごい・・・・
ジュリエッタの前にうずたかく積まれるチップ!
ゆきちがカジノ銀行に積み立てた資金を何十倍も回収している量だ。
周りの歓声もすごく!
「おーーーー」
掛け金を置く度に完成があがる。
今度も全額を”黒20”に賭ける。
ディーラーを赤い瞳で見て微笑むジュリエッタ。
これも当たると36倍!
白と黒、1/2でも当たらない”ゆきち”とは大違い。
3回連続”黒20”が出ている。4回連続!?
場内が異様な盛り上がりを見せる・・・。
そしてディーラーはジュリエッタに見つめられながら震える手でルーレットを回す・・・。
そして止まるのは”黒20”・・・・。
うなだれるディーラー。
盛り上がる”ゆきち”と観客。
特に興奮せずに冷静なジュリエッタ、暇そうなトビマルとカクスケ。
「イカサマだ、今の勝負無効だ!」
奥から血相を変えた偉そうな人が出てきた。
カジノの支配人が出てきた。
「お客様、イカサマはいけません!」
とジュリエッタに支配人は話しかける。
ジュリエッタはそんな支配人を見ることなく暇そうにアクビをする。
そして・・・ゆきちの顔を見て、
「ゆきち様、カジノ遊びはこれでよろしいですか?そろそろ宿に戻りましょう」
といい、ジュリエッタは立ち上がる。
「まて、お前ら!」
といい、私達の前に支配人が立ちふさがる。
支配人の周りにはカジノの用心棒と思われる人達に加わって、その中にはこの国の兵士もいるようだ。
非難する観客をかき分けて兵士の上司と思われる人物も登場した。
その上司と思われる人物は支配人を握手をする。
着ている衣類は上質のもので宝飾品も沢山つけている、この国で高い地位にいる人物だろう。
「グル?」
わたしが声をだすと
「この国に私かカジノを経営して貢献している、なので困った時はこうして国は助けてくれる。献金もいっぱいしているしな!」
と支配人は誇らしげにしゃべっている。
出てきました!カジノの悪役に悪代官!
これこそ私が望んだ黄門様的な展開!
「ふぉ・・・・ふぉ・・・ふぉ・・・・」
私は笑い?そして叫ぶ
「カクスケさん、トビマルさん、ジュリエッタさん、やってしまいなさい。」
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私達は今、焼け野原にいる・・・。
あれだけ栄えていた街は跡形もない・・・・。
隣で・・・・カクスケとトビマルが殺した人数を競っている。
順位は・・・ジュリエッタが圧勝、カクスケとトビマルが2位争いをしているそうだ・・・。
そして、わたしは今、猛烈に反省をしている。
黄門さま的に『やってしまいなさい』といったのに『殺ってしまいなさい』 と3人の脳内で変換されるとは!
ぴろり~ん
ゆきちは学んだ。
未成年者はギャンブルをしてはいけません!
ゆきちは”黄門さま”ではなく”うっかり”ポジションだったことがわかった。
因みに・・・・
優勝 ジュリエッタ 4万から先は覚えていない。
2位 カクスケ 2965名
3位 トビマル 2960名
2位、3位の争いは・・・・5人差でカクスケの勝利でした。
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